四竜帝の大陸【青の大陸編】
お父さん。
お母さん達を支えてくれてるよね……守ってくれてるよね?
「あ……なんかお腹空いてきたかも」
ああ、駄目。
こんな気持ちのままじゃ、手紙を書けない。
「りこは腹が空いたのか。では茶に……いや、昼食にするか?」
私は持ち直したペンを置いた。
気持ちを切り替えなきゃ。
「りこ?」
ハクちゃんの前で、しょんぼりしてちゃいけない。
元気で笑ってなきゃ……。
「どうかし……」
「ん? なんでもないよ?」
「……なら、良いのだが」
【元気】といえば。
生理がこないことを気にしていると知ったカイユさんは、人間のお医者様を手配してくれた。
でも、ハクちゃんは診察を受ける事を許してくれなかった。
体液から病気でないことが分かっているので、必要ないのだと言って折れなかった。
話し合いの余地皆無なハクちゃんの態度に、私もカイユさんも診察は断念した。
ーー女医だろうと、りこは診せん。医者が必要であるかどうかは、我が判断する。月経の件は心配無い、りこの身体に現時点で異常など無い。夫である我が毎日きちんと体液を採取し、確認しておるのだから安心しろ。
あの過保護なハクちゃんがそこまで言うなら、私は健康に違いない。
急な環境変化(なんたって、違う世界に来たんだしね)によるものだろうから、今後何ヶ月もこなかったらその時にお医者様に相談しようって事になった。
「この続きは、午後にするね。……約束した時間よりちょっと早いけど、竜帝さんの執務室に行こうか? 今日はお昼を一緒にしようって言ってくれたの。あ、なんか大事なお話もあるんだって……何だろうね」
カイユさんとダルフェさんは急な出張が決まり、昨日の早朝にはお城から出て……ジリ君は、カイユさんのお父さんに預けられていた。
私はジリ君が【おぢい】と呼ぶセレスティスさんに、まだ会ったことが無い。
会ってみたいとカイユさんに言ったら、彼女はちょっと困ったような顔をしたから……。
無理にじゃなくて、機会があったらでいいのと慌てて私は言った。
だいぶ譲歩してくれるようになったハクちゃんだけど、基本的には男の人を周りから排除したがる。
そんな危険なハクちゃんに、自分のお父さんを近寄らせたくないってカイユさんが考えるのも当然だもの。
言うんじゃなかったと、後悔した。
カイユさんを困らせちゃ、駄目なのに……。
お母さん達を支えてくれてるよね……守ってくれてるよね?
「あ……なんかお腹空いてきたかも」
ああ、駄目。
こんな気持ちのままじゃ、手紙を書けない。
「りこは腹が空いたのか。では茶に……いや、昼食にするか?」
私は持ち直したペンを置いた。
気持ちを切り替えなきゃ。
「りこ?」
ハクちゃんの前で、しょんぼりしてちゃいけない。
元気で笑ってなきゃ……。
「どうかし……」
「ん? なんでもないよ?」
「……なら、良いのだが」
【元気】といえば。
生理がこないことを気にしていると知ったカイユさんは、人間のお医者様を手配してくれた。
でも、ハクちゃんは診察を受ける事を許してくれなかった。
体液から病気でないことが分かっているので、必要ないのだと言って折れなかった。
話し合いの余地皆無なハクちゃんの態度に、私もカイユさんも診察は断念した。
ーー女医だろうと、りこは診せん。医者が必要であるかどうかは、我が判断する。月経の件は心配無い、りこの身体に現時点で異常など無い。夫である我が毎日きちんと体液を採取し、確認しておるのだから安心しろ。
あの過保護なハクちゃんがそこまで言うなら、私は健康に違いない。
急な環境変化(なんたって、違う世界に来たんだしね)によるものだろうから、今後何ヶ月もこなかったらその時にお医者様に相談しようって事になった。
「この続きは、午後にするね。……約束した時間よりちょっと早いけど、竜帝さんの執務室に行こうか? 今日はお昼を一緒にしようって言ってくれたの。あ、なんか大事なお話もあるんだって……何だろうね」
カイユさんとダルフェさんは急な出張が決まり、昨日の早朝にはお城から出て……ジリ君は、カイユさんのお父さんに預けられていた。
私はジリ君が【おぢい】と呼ぶセレスティスさんに、まだ会ったことが無い。
会ってみたいとカイユさんに言ったら、彼女はちょっと困ったような顔をしたから……。
無理にじゃなくて、機会があったらでいいのと慌てて私は言った。
だいぶ譲歩してくれるようになったハクちゃんだけど、基本的には男の人を周りから排除したがる。
そんな危険なハクちゃんに、自分のお父さんを近寄らせたくないってカイユさんが考えるのも当然だもの。
言うんじゃなかったと、後悔した。
カイユさんを困らせちゃ、駄目なのに……。