四竜帝の大陸【青の大陸編】
そんな私の手を、ハクちゃんは口元に運び……冷たい唇に添えたまま言った。
「ほお……セイフォンの‘イケメン’王子か」
そう言ったハクちゃんのお顔には。
冷たい笑みが……ひえぇぇ~!
イケメンって言葉をそんなに根に持って、じゃなくて気にしていたなんてっ!
「あ~あ、だからぎりぎりまで黙ってたんだよ。おい! おちび、じじいの抑えは任せたぞ! これもお前の、大事な仕事の1つなんだからな!? 俺様は食堂に行って飯とってくるから、座って待ってろよ。俺様は唐揚げにすっけど、お前は本日のお勧め定食でいいよな?」
いつもの竜帝さんに戻った彼は素早く立ち上がり、ソファーから扉に向かって走った。
ドアノブに手をかけながら、私に向けた顔は……苦笑していた。
「俺様が戻って来るまでに、じじいの機嫌を直しといてくれ! じゃあな、頼んだぞっ」
「え? ちょ、まっ」
少々乱暴に扉を開けて、女神様は廊下へと消えた。
「おちびちゃん、‘おぢい’からも頼むよ。この方がセイフォンの皇太子君の首をちょんぱしちゃったら、おぢいの老後の楽しみが減っちゃうから。よろしく頼むね……待ってよ陛下、僕もお昼にしますから。唐揚げ……じゃなくて、さっぱりしたものが食べたいな。う~ん、歳のせいかな? じゃあ、またね。おちびちゃん」
ハクちゃんと私にニコニコ笑顔で手を振って、セレスティスさんも竜帝さんの後に続いて執務室から出て行った。
扉がぱたんと閉まり、私とハクちゃんが執務室に残った。
「……ちょっ……あれ?」
今。
何気にとんでもない事、言ってなかった?
王子様なお顔で。
さらりと、言わなかった?
首をちょんぱ。
ちょんぱぁああ~!?
老後の楽しみって、普通は温泉旅行や園芸とかじゃないのぉおおおお!?
ダルド殿下。
帝都にはハクちゃん以外にも貴方とって、危険な人物が生息していますっ!
なんで……どういうこと!?
貴方はハクちゃんだけじゃなく、セレスティスさんにまで嫌われてるんですかっー!!
座ったまま呆然と扉を見ていた私に、‘魔王様’は仰った。
「くくっ……明日が楽しみだな、りこよ」
ハクちゃんが私の指を真っ赤な舌で、ぺろりと舐めた。
「そ、そうかなぁ~?」
魔王様はご健在のようでございます。
「ほお……セイフォンの‘イケメン’王子か」
そう言ったハクちゃんのお顔には。
冷たい笑みが……ひえぇぇ~!
イケメンって言葉をそんなに根に持って、じゃなくて気にしていたなんてっ!
「あ~あ、だからぎりぎりまで黙ってたんだよ。おい! おちび、じじいの抑えは任せたぞ! これもお前の、大事な仕事の1つなんだからな!? 俺様は食堂に行って飯とってくるから、座って待ってろよ。俺様は唐揚げにすっけど、お前は本日のお勧め定食でいいよな?」
いつもの竜帝さんに戻った彼は素早く立ち上がり、ソファーから扉に向かって走った。
ドアノブに手をかけながら、私に向けた顔は……苦笑していた。
「俺様が戻って来るまでに、じじいの機嫌を直しといてくれ! じゃあな、頼んだぞっ」
「え? ちょ、まっ」
少々乱暴に扉を開けて、女神様は廊下へと消えた。
「おちびちゃん、‘おぢい’からも頼むよ。この方がセイフォンの皇太子君の首をちょんぱしちゃったら、おぢいの老後の楽しみが減っちゃうから。よろしく頼むね……待ってよ陛下、僕もお昼にしますから。唐揚げ……じゃなくて、さっぱりしたものが食べたいな。う~ん、歳のせいかな? じゃあ、またね。おちびちゃん」
ハクちゃんと私にニコニコ笑顔で手を振って、セレスティスさんも竜帝さんの後に続いて執務室から出て行った。
扉がぱたんと閉まり、私とハクちゃんが執務室に残った。
「……ちょっ……あれ?」
今。
何気にとんでもない事、言ってなかった?
王子様なお顔で。
さらりと、言わなかった?
首をちょんぱ。
ちょんぱぁああ~!?
老後の楽しみって、普通は温泉旅行や園芸とかじゃないのぉおおおお!?
ダルド殿下。
帝都にはハクちゃん以外にも貴方とって、危険な人物が生息していますっ!
なんで……どういうこと!?
貴方はハクちゃんだけじゃなく、セレスティスさんにまで嫌われてるんですかっー!!
座ったまま呆然と扉を見ていた私に、‘魔王様’は仰った。
「くくっ……明日が楽しみだな、りこよ」
ハクちゃんが私の指を真っ赤な舌で、ぺろりと舐めた。
「そ、そうかなぁ~?」
魔王様はご健在のようでございます。