四竜帝の大陸【青の大陸編】

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「ふん……弱いクセに」

ブーツの踵を物言わぬ男の顔面に落とし、水色の瞳を不機嫌そうに細めてカイユが言った。

「なんて馬鹿なのかしら、この男達。武人だろうと、人間なんかが私に勝てるわけないじゃない。私を誰だと思ってるの? ……<カイユ>よ?」

その死体が生きていて、耳が聞こえたならば。
それを知り、どう思うのだろうか?
後悔するのか、恐怖するのか。
 
<カイユ>に剣を向けたことを。
 
それとも。
その手で死ねた僥倖に。
武人として望むところだと、歓喜するのだろか?

まぁ、俺としちゃ。
そんなことよりも、こっちの方が気にかかる。

「ハニー。それ踏み潰すんじゃないよ? 君のブーツが汚れるからねぇ」

機嫌の悪かったハニーは、止める間もなく3人をさっさと始末しちまった。
まあ、ハニーなりにちゃんと考えての行動だったから、術士には手を出さなかったが……。

「確かにそうね。おろしたてのブーツが汚れるのは、嫌だわ」

刀を払って血液を落とした後、ハニーは自分の手から外した白い手袋で刃を拭いた。

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