四竜帝の大陸【青の大陸編】
飯を食いに入った店は、街の入り口で領収書兼通行許可証の銅版を渡した時に係員が教えてくれた『ポルで一番高い店』だった。
元は荘園領主館かなんかだったんだろうが、今は宿屋も併設している洒落た内装のレストランになっていた。
建物自体は古いが、よく手入れされている。
建築様式は時代遅れだがかえってそれが味わい深く、上品な印象を持たせていた。
石灰で塗り固められた白壁は雪に負けぬほどの純白。
建物の外壁は斜材を組み入れた意匠的な木組みで装飾され、純白の壁に漆黒のそれが映えていた。
個室を中心とした造りは、あの街道を使うような富裕層のみが客だからだ。
お忍びの王侯貴族も多いしな。
黒のバトラージャケットを着た従業員に通された個室は、庭が眺められるなかなか良い部屋だった。
この店は先を急ぐ旅客用に短時間で提供できるものから、食い終わるのに三時間かかるコース料理まで揃えてあった。
陽がたっぷりと入る明るい部屋での昼食中、俺は術士の少女に質問攻めに合ってしまった。
刺客を相手にする方が楽だったなぁと思いながら飲んだ食後の珈琲は、豆の煎りが俺には浅かった。
べらぼうに高い分、けっこう期待していたのでかなり損した気分になった。
陛下の金だから、実際は損しちゃいないんだが……まぁ、気持ち的にって事だな。
元は荘園領主館かなんかだったんだろうが、今は宿屋も併設している洒落た内装のレストランになっていた。
建物自体は古いが、よく手入れされている。
建築様式は時代遅れだがかえってそれが味わい深く、上品な印象を持たせていた。
石灰で塗り固められた白壁は雪に負けぬほどの純白。
建物の外壁は斜材を組み入れた意匠的な木組みで装飾され、純白の壁に漆黒のそれが映えていた。
個室を中心とした造りは、あの街道を使うような富裕層のみが客だからだ。
お忍びの王侯貴族も多いしな。
黒のバトラージャケットを着た従業員に通された個室は、庭が眺められるなかなか良い部屋だった。
この店は先を急ぐ旅客用に短時間で提供できるものから、食い終わるのに三時間かかるコース料理まで揃えてあった。
陽がたっぷりと入る明るい部屋での昼食中、俺は術士の少女に質問攻めに合ってしまった。
刺客を相手にする方が楽だったなぁと思いながら飲んだ食後の珈琲は、豆の煎りが俺には浅かった。
べらぼうに高い分、けっこう期待していたのでかなり損した気分になった。
陛下の金だから、実際は損しちゃいないんだが……まぁ、気持ち的にって事だな。