四竜帝の大陸【青の大陸編】
「御気に触った? ごめんなさいね、赤のご子息様……ふふっ。女の子みたいだった貴方も、もうお父さんになったのね。きのこも食べられるようになったみたいだし」
俺がさっき食ったのは、三種のきのことを木の実が入った牛乳仕立てのリゾット。
姫さんは米が好きだ。
ジリはきのこが好物。
だから今度作ってやろうと思い、参考の為に注文した。
「……ちっ。きのこ、食えるようになったけど。やっぱり俺はきのこが今でも好きじゃないんだよ、“オテレばあちゃん”」
オテレばあちゃんは。
俺が餓鬼の頃、父さんの食堂に飯を食いによく来ていた。
いつも、珍しい虹色の飴玉を俺にくれた。
それを陽にかざすと、餓鬼の俺の眼にはどんな宝石より綺麗なモノに見えたんだ。
もったいなくて、なかなか口に入れられなかった。
<魔女>オテレ・ガンガルシーテ。
あのばあちゃんが死んだのは、俺の所為だった。
「ふふっ。ごめんなさいね? 私は“あのキャンディー”を持っていないのよ」
「…………」
旦那が……女ならなんでもいいって、寄ってくる女に片っ端から手を付けてたあの旦那が、<魔女>だけは駄目だって言う気持ちが。
なんとなく、分かった。
俺がさっき食ったのは、三種のきのことを木の実が入った牛乳仕立てのリゾット。
姫さんは米が好きだ。
ジリはきのこが好物。
だから今度作ってやろうと思い、参考の為に注文した。
「……ちっ。きのこ、食えるようになったけど。やっぱり俺はきのこが今でも好きじゃないんだよ、“オテレばあちゃん”」
オテレばあちゃんは。
俺が餓鬼の頃、父さんの食堂に飯を食いによく来ていた。
いつも、珍しい虹色の飴玉を俺にくれた。
それを陽にかざすと、餓鬼の俺の眼にはどんな宝石より綺麗なモノに見えたんだ。
もったいなくて、なかなか口に入れられなかった。
<魔女>オテレ・ガンガルシーテ。
あのばあちゃんが死んだのは、俺の所為だった。
「ふふっ。ごめんなさいね? 私は“あのキャンディー”を持っていないのよ」
「…………」
旦那が……女ならなんでもいいって、寄ってくる女に片っ端から手を付けてたあの旦那が、<魔女>だけは駄目だって言う気持ちが。
なんとなく、分かった。