四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ハクちゃん。ねぇ、お顔を上げて……」
彼の艶やかな鱗を撫でながら、私は言った。
「気にすること無いよ、ハクちゃん。貴方の気持ち、とっても嬉しい。ごめんね、私は何も用意してなかった……。私と貴方は種族が違うんだから、欲しい物を相手に訊いたっていいと思う。私だって貴方に何をあげたら喜んでくれるのか、まだ分からないもの」
「わ、私もそう思いますっ! トリィさんは異界の方のせいか、お好みも普通の人間の女性とは若干……かなり異なる部分もあるようですしっ」
そう言って、シスリアさんも援護してくれた。
ちなみに彼女のバイロイトさんへの贈り物は、お子さんと作ったクッションだと教えてくれた。
「ほら、シスリアさんだってそう言って……ん? 好みが異な……?」
「あの、えっと! で……では、私はこれで失礼致します!」
逆さにしたピンクのチューリップのようなワンピースを着た、妖精さんのように可愛らしい先生は机の上の教材を手早くまとめ、去っていった。
シスリアさんの言葉には、多少ひっかかる部分もあったような……。
ま、いいか。
「りこ」
ハクちゃんが顔をお腹から出し、私を見上げた。
「では、訊くが。りこの欲しいものはなんなのだ?」
「……前にも言ったよ?」
真珠色の鱗を持つ世界一かわゆい旦那様の頬に、私はキスをして……ゆっくりと、唇を離した。
「私が欲しいのは、貴方だけ」
ハクちゃんの大きな金の眼が、糸のように細まった。
彼の艶やかな鱗を撫でながら、私は言った。
「気にすること無いよ、ハクちゃん。貴方の気持ち、とっても嬉しい。ごめんね、私は何も用意してなかった……。私と貴方は種族が違うんだから、欲しい物を相手に訊いたっていいと思う。私だって貴方に何をあげたら喜んでくれるのか、まだ分からないもの」
「わ、私もそう思いますっ! トリィさんは異界の方のせいか、お好みも普通の人間の女性とは若干……かなり異なる部分もあるようですしっ」
そう言って、シスリアさんも援護してくれた。
ちなみに彼女のバイロイトさんへの贈り物は、お子さんと作ったクッションだと教えてくれた。
「ほら、シスリアさんだってそう言って……ん? 好みが異な……?」
「あの、えっと! で……では、私はこれで失礼致します!」
逆さにしたピンクのチューリップのようなワンピースを着た、妖精さんのように可愛らしい先生は机の上の教材を手早くまとめ、去っていった。
シスリアさんの言葉には、多少ひっかかる部分もあったような……。
ま、いいか。
「りこ」
ハクちゃんが顔をお腹から出し、私を見上げた。
「では、訊くが。りこの欲しいものはなんなのだ?」
「……前にも言ったよ?」
真珠色の鱗を持つ世界一かわゆい旦那様の頬に、私はキスをして……ゆっくりと、唇を離した。
「私が欲しいのは、貴方だけ」
ハクちゃんの大きな金の眼が、糸のように細まった。