四竜帝の大陸【青の大陸編】
ハクちゃんは、前に言った。

「りこの望みは何でも叶えてやる」って。

<監視者>は世界の<管理者>。
世界の<秩序>を監視し、管理する。

――望みは何でも……。

ハクちゃんは強い。
私の望みを叶えるためなら他人を傷つけることに、躊躇いすらないのだろう。

でも、それは世界の秩序を壊してしまう。
秩序を守るべき存在のハクちゃんが。

「私、この世界にいたら駄目なんだね。ハクちゃんの側にいたら、駄目だったの?」
「り……り、こ」

勝手にこの世界に落とされたのに。
もとの世界に帰る術式も無いのに。



「この世界に、私の居場所なんて無い……」



ねぇ、ハクちゃん。
私は、貴方を駄目してしまうの?

なら。
出会わなければ、良かったのに。


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