四竜帝の大陸【青の大陸編】
夜、私は居間のソファーに座ってハクちゃんを待っていた。
何気なく目を向けた窓からは、丸いお月様が見えた。
「ハクちゃん、何してるんだろう?」
夕食も2時間前に済ませたし、シスリアさんから出された課題も終わった。
もう今夜はお風呂に入って、寝ようかな~って思ってたんだけど。
ハクちゃんはここで待っているようにと私に言って、短い足でてけてけ走って居間から出て行った。
なぜかキッチンへと……キッチンからは、がちゃがちゃと騒がしい音が聞こえてきていた。
音が止み。
数秒後。
床を土鍋が走って……じゃなくて。
頭の上に土鍋を乗せ、小さな両手で支えながらハクちゃんが走って戻ってきた。
「……ハクちゃん?」
「我は、良いことを考えたのだ! りこ、蓋を取ってくれ」
私は立ち上がり、ハクちゃんの頭に乗った土鍋の蓋をおそるおそる外した。
いったい何が入って……あれ?
「これ、ハクちゃんのかけらだよね?」
土鍋には、まるで真珠のようなそれが容量ぎりぎりまで入っていた。
あ、だから蓋……そのままじゃ、こぼれそうなほどの量だもの。
ハクちゃんはぱかっと開けた口に、鍋いっぱいのかけらをざざーっと投入した。
「ひっ!?」
絶句する私の前で、最近お得意の‘ころころ’をやり始めた。
縦横無尽に居間の床をころころころころ……。
「ハ……ハクちゃん?」
3分ほど床でころころをして、ハクちゃんは私の膝にちょこんと顎をのせた。
「りこ! ひっぱってくれ」
ハクちゃんは私に向かって、ぱかっと大きく口を開けた。
身をかがめて覗き込むと、真っ赤な舌の上には真っ白な……えぇ~!!
な、なにこれっ!?
まさか……ハクちゃんは、これをひっぱれって言ってるの?
「こ、こんなの引っ張り出したら咽喉を傷めちゃう! 危ないよ、やめ……」
ハクちゃんは爪先立ちして、かがみこんだ私の頬を握ったで両手くりくりと撫でて言った。
「大丈夫だ。我は世界一かわゆく頑丈な竜なのだから」
「でもっ」
「……頼む、りこ」
このままじゃ、この状態じゃ。
さすがにハクちゃんだって、辛いのかも……やるしかない!
「う、うん。わかった」
「よし、一気にいけ!」
「せ、せ~のっ……えいっ!」
ハクちゃんの口に右手を突っ込んで、半泣きでそれを引き出した。
何気なく目を向けた窓からは、丸いお月様が見えた。
「ハクちゃん、何してるんだろう?」
夕食も2時間前に済ませたし、シスリアさんから出された課題も終わった。
もう今夜はお風呂に入って、寝ようかな~って思ってたんだけど。
ハクちゃんはここで待っているようにと私に言って、短い足でてけてけ走って居間から出て行った。
なぜかキッチンへと……キッチンからは、がちゃがちゃと騒がしい音が聞こえてきていた。
音が止み。
数秒後。
床を土鍋が走って……じゃなくて。
頭の上に土鍋を乗せ、小さな両手で支えながらハクちゃんが走って戻ってきた。
「……ハクちゃん?」
「我は、良いことを考えたのだ! りこ、蓋を取ってくれ」
私は立ち上がり、ハクちゃんの頭に乗った土鍋の蓋をおそるおそる外した。
いったい何が入って……あれ?
「これ、ハクちゃんのかけらだよね?」
土鍋には、まるで真珠のようなそれが容量ぎりぎりまで入っていた。
あ、だから蓋……そのままじゃ、こぼれそうなほどの量だもの。
ハクちゃんはぱかっと開けた口に、鍋いっぱいのかけらをざざーっと投入した。
「ひっ!?」
絶句する私の前で、最近お得意の‘ころころ’をやり始めた。
縦横無尽に居間の床をころころころころ……。
「ハ……ハクちゃん?」
3分ほど床でころころをして、ハクちゃんは私の膝にちょこんと顎をのせた。
「りこ! ひっぱってくれ」
ハクちゃんは私に向かって、ぱかっと大きく口を開けた。
身をかがめて覗き込むと、真っ赤な舌の上には真っ白な……えぇ~!!
な、なにこれっ!?
まさか……ハクちゃんは、これをひっぱれって言ってるの?
「こ、こんなの引っ張り出したら咽喉を傷めちゃう! 危ないよ、やめ……」
ハクちゃんは爪先立ちして、かがみこんだ私の頬を握ったで両手くりくりと撫でて言った。
「大丈夫だ。我は世界一かわゆく頑丈な竜なのだから」
「でもっ」
「……頼む、りこ」
このままじゃ、この状態じゃ。
さすがにハクちゃんだって、辛いのかも……やるしかない!
「う、うん。わかった」
「よし、一気にいけ!」
「せ、せ~のっ……えいっ!」
ハクちゃんの口に右手を突っ込んで、半泣きでそれを引き出した。