四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ち、ちがっ……わ、私はお茶、を飲もう、とっ……おもっ」

嘘吐き。

私は嘘吐き。
もうお茶なんてどうでもよくなってるのに。

「あの皇太子の事など、思い煩うな。我がりこの‘怖い‘をここから、この脳から押し出し消してやろう」

嘘吐きで、卑怯な私をねじ伏せて。
身体だけじゃなく、この暗い心も喰らい尽くして。

「ハ……クッ」

貴方が、私を罰して。

「我は、貴女の望みのままに」

温かなお茶よりも。
熱い貴方で、私を満たして。

「ハ、ク……っん」

竜体じゃなくても。
念話が使えなくても。

触れ合う場所から、繋がるそこから。
私の想いは、貴方に届く。
  
「りこだけだ。我がこのよう触れるのは……我が欲しいのは、りこだけだ」

貴方に触って欲しい。

貴方に触れたい。

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