四竜帝の大陸【青の大陸編】
「りこ、我のりこ」
りこの望んだ闇の中。
明かりを消し。
月明かりさえ入らぬように、全てのカーテンを閉めた外より暗い室内で。
我は寝入ったりこの顔に魅入った。
寝室より術式で運んだ暖かな毛布にくるまれて、冷たい我の身体の上で安らかに眠るりこの顔はとても美しい。
もっとも我の美の基準はりこなので、鼻水が垂れていようが泥まみれだろうが我の目には美しく感じるのだが。
頬はほんのりと朱に染まり、額には微かに汗が残っていた。
「……甘いな」
りこの細く小さな身体に右腕を回し、左手で肩まで包んであった毛布をゆっくりと剥きながら額の汗を舐め取った。
「りこ」
腕の中にいる愛しいモノを我は見た。
我の片手で易く掴める細首に。
我が愛しんだ胸元に。
我が与えた刻印が、我が与えた再生能力によりゆっくりと消え行く様を眺める。
至福と同時に寂しさも感じるこのひと時が、我は好きだ。
りこの望んだ闇の中。
明かりを消し。
月明かりさえ入らぬように、全てのカーテンを閉めた外より暗い室内で。
我は寝入ったりこの顔に魅入った。
寝室より術式で運んだ暖かな毛布にくるまれて、冷たい我の身体の上で安らかに眠るりこの顔はとても美しい。
もっとも我の美の基準はりこなので、鼻水が垂れていようが泥まみれだろうが我の目には美しく感じるのだが。
頬はほんのりと朱に染まり、額には微かに汗が残っていた。
「……甘いな」
りこの細く小さな身体に右腕を回し、左手で肩まで包んであった毛布をゆっくりと剥きながら額の汗を舐め取った。
「りこ」
腕の中にいる愛しいモノを我は見た。
我の片手で易く掴める細首に。
我が愛しんだ胸元に。
我が与えた刻印が、我が与えた再生能力によりゆっくりと消え行く様を眺める。
至福と同時に寂しさも感じるこのひと時が、我は好きだ。