四竜帝の大陸【青の大陸編】
『で、旦那。俺はどうしたらいいんですか? 取りあえず姫さんを気絶させるとか?』
=この、愚か者が! りこに乱暴なまねは許さん。身体が傷ついたらどうする!
『俺は力加減を間違えたりしませんよ。……それに姫さんを傷つけたのは旦那じゃないですか』
=我が? ……我はっ!
「なんで、なんでよ! 私がこんな目にあうの!」
「分かんないことばっかり! 知らないことばっかり!」
「ハクちゃんだって……私に言ってくれないことがあって!」
「来たくて来たんじゃないわよっ! つがいになりたくてなったんじゃないわよ!」
りこが叫ぶ言葉は我を打ちのめす。
世界最強の我の身体が、恐怖に凍りつく。
「もう帰りたい! こんな世界はもう、居たくない! 家に帰してよ!」
「つがいなんて、やめる!」
つがいを。
やめる!?
『りこ! ……わ、我を捨てないでくれっ!!』
我はりこに手を伸ばし、しがみついた。
このまま離れたら、離したらりこを失うと思った。
【両腕】をりこの背に回し、我の【胸】にりこを閉じ込める。
隙間無く身体を合わせ、逃すまいと縋りつく。
『我を捨てないでくれっ』
背に回した【指】に、りこの髪がさらりと触れる。
『捨てないでっ……』
我の【髪】の色とは対照的な、漆黒の髪。
ずっと、触ってみたいと思っていた。
体温の無い我の身体と違い、温かなりこの肌。
ずっと。
抱きしめたいと思っていた。
『りこ』
知られたくなかった。
傷つけたくなかった。
泣かせたくなかったのに。
=この、愚か者が! りこに乱暴なまねは許さん。身体が傷ついたらどうする!
『俺は力加減を間違えたりしませんよ。……それに姫さんを傷つけたのは旦那じゃないですか』
=我が? ……我はっ!
「なんで、なんでよ! 私がこんな目にあうの!」
「分かんないことばっかり! 知らないことばっかり!」
「ハクちゃんだって……私に言ってくれないことがあって!」
「来たくて来たんじゃないわよっ! つがいになりたくてなったんじゃないわよ!」
りこが叫ぶ言葉は我を打ちのめす。
世界最強の我の身体が、恐怖に凍りつく。
「もう帰りたい! こんな世界はもう、居たくない! 家に帰してよ!」
「つがいなんて、やめる!」
つがいを。
やめる!?
『りこ! ……わ、我を捨てないでくれっ!!』
我はりこに手を伸ばし、しがみついた。
このまま離れたら、離したらりこを失うと思った。
【両腕】をりこの背に回し、我の【胸】にりこを閉じ込める。
隙間無く身体を合わせ、逃すまいと縋りつく。
『我を捨てないでくれっ』
背に回した【指】に、りこの髪がさらりと触れる。
『捨てないでっ……』
我の【髪】の色とは対照的な、漆黒の髪。
ずっと、触ってみたいと思っていた。
体温の無い我の身体と違い、温かなりこの肌。
ずっと。
抱きしめたいと思っていた。
『りこ』
知られたくなかった。
傷つけたくなかった。
泣かせたくなかったのに。