四竜帝の大陸【青の大陸編】

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私はカイユさんの言っていたことを思い出した。

セレスティスさんを止められるのは、竜帝さんとダルフェさん。
<色持ち>のダルフェさんは、とっても強い。

そのダルフェさんが、半殺しって言ったよね?
舅殿って、セレスティスさんのことでしょう!?
娘のカイユさんがここにいるのに、なんてことをっ……。

「ダルっ……カイユ?」

立ち上がって抗議しようとした私の肩を、そっと押さえたのはカイユさんだった。

「ダルフェに任せておけば、大丈夫です」
「カイユ、でもっ!」

「ダルフェは私の父を‘半殺し’になどしません……この私の前でそのようなこと、できやしないのですから」
「え?」

 カイユさんはにっこり笑って、きっぱり言った。

「もしあの馬鹿が私の前で父に抜刀したら、私があれの首をこの手で折ります」
「!?」

ダッ、ダルフェさ~んっ大変です!
貴方の奥様が、ここで白魚のような指をぽきぽきしていますよぉおお!?
 
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