四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ああ、あの2人? 溶液でお昼寝させてあげてねって、オフ達に頼んできたから大丈夫。でも今週いっぱいはお休みにしてあげてね」
「お前、あいつ等をっ!?」
「大丈夫。ニン達は僕にぼこられるの慣れてるから」
「あのなぁ、あいつらだって慣れたくて慣れたんじゃねえだろうがっ。しょうがねぇな~、あいつらの家族には任務で他国に行ったって言っとくか」
艶のある青い爪でこめかみをぐりぐりしながら、女神様が言った。
ああ、女神様の麗しいお顔に……眉間に縦皺が!
「こんにちは、おちびちゃん。今日は良いお天気だから、ランチは外で食べたら? カイユ、ジリはシスリアがみてくれてる。中庭でメオナちゃんと泥んこ遊びしてるから、後でお風呂に入れてあげてね」
「父様……」
私に握られていたカイユさんの左手が、私の手を握り返してきた。
セレスティスさんは笑みを絶やさぬまま、池の縁に歩み寄った。
「セレスティスさん……こんにちは。お客様がお帰りになったら昼食にしますから、ご一緒にいかがですか?」
心の動揺を押さえ込み、微笑んで言ったつもりだけど……失敗。
顔が強張っているのが自分でも分る。
「お誘いありがとう。でも、遠慮しておくよ」
サラサラの銀髪は右わけの前下がりワンレングスで、肩のラインで切り揃えられていた。
カイユさんの髪は、お父さん譲り……髪どころか、お顔もとても似ている。
親子ではなく、双子の兄妹みたいな父と娘。
その端整な顔には、常に笑みが浮かんでいて……砂糖菓子のような甘さを含んだ、優しげな微笑み。
私には、その微笑が偽物であるようには見えない。
偽物だとは思えないけど、あまりに‘王子様’過ぎて現実味が無い。
本の中の住民が、話して動いているような……。
「お前、あいつ等をっ!?」
「大丈夫。ニン達は僕にぼこられるの慣れてるから」
「あのなぁ、あいつらだって慣れたくて慣れたんじゃねえだろうがっ。しょうがねぇな~、あいつらの家族には任務で他国に行ったって言っとくか」
艶のある青い爪でこめかみをぐりぐりしながら、女神様が言った。
ああ、女神様の麗しいお顔に……眉間に縦皺が!
「こんにちは、おちびちゃん。今日は良いお天気だから、ランチは外で食べたら? カイユ、ジリはシスリアがみてくれてる。中庭でメオナちゃんと泥んこ遊びしてるから、後でお風呂に入れてあげてね」
「父様……」
私に握られていたカイユさんの左手が、私の手を握り返してきた。
セレスティスさんは笑みを絶やさぬまま、池の縁に歩み寄った。
「セレスティスさん……こんにちは。お客様がお帰りになったら昼食にしますから、ご一緒にいかがですか?」
心の動揺を押さえ込み、微笑んで言ったつもりだけど……失敗。
顔が強張っているのが自分でも分る。
「お誘いありがとう。でも、遠慮しておくよ」
サラサラの銀髪は右わけの前下がりワンレングスで、肩のラインで切り揃えられていた。
カイユさんの髪は、お父さん譲り……髪どころか、お顔もとても似ている。
親子ではなく、双子の兄妹みたいな父と娘。
その端整な顔には、常に笑みが浮かんでいて……砂糖菓子のような甘さを含んだ、優しげな微笑み。
私には、その微笑が偽物であるようには見えない。
偽物だとは思えないけど、あまりに‘王子様’過ぎて現実味が無い。
本の中の住民が、話して動いているような……。