四竜帝の大陸【青の大陸編】
92
「舅殿がメリルーシェに……いったいあそこで何があったんです?」
あのお節介おっさんバイロイトが、先代の息子。
確かに驚いたが、俺的にはこのことは全く問題が無い。
問題無いどころか、関係ない。
問題は。
この人が行くって事だ。
セレスティスは、強い。
竜騎士の凶暴で残忍な本能に流されることなく、冷静な思考のまま全開で戦える数少ない……本当の意味で強い竜騎士だ。
カイユには無理だし、俺もまだ自分を完璧にコントロールする自信は無い。
だからこそ俺達『竜騎士』は、竜帝に管理される必要がある……自我を失い、獣にならないためにも。
「残念ながら、まだ何も無いよ」
まだ、ね。
しかも……‘残念’か。
セレスティスはベットに投げ出してあった刀を左手に持ち、何かを確かめるように鍔を右の人差し指で撫でた。
「あ、クロムウェルも連れて行くから……君ってあいつと仲良しだったよね? 後で会っておいでよ……最後になるかもしれないから」
ゆっくりと歩み寄り、セレスティスは窓を開けた。
火の気は一切無いが城内と同じ湯による暖房設備が床下に張り巡らされいた室内に、冷たい外気が一気に流れ込んできた。
頬に感じる冷気が、今の俺には心地良く……ありがたかった。
この人を相手にするには、旦那を相手にする以上の冷静さが必要だと思い知ったからな。
あのお節介おっさんバイロイトが、先代の息子。
確かに驚いたが、俺的にはこのことは全く問題が無い。
問題無いどころか、関係ない。
問題は。
この人が行くって事だ。
セレスティスは、強い。
竜騎士の凶暴で残忍な本能に流されることなく、冷静な思考のまま全開で戦える数少ない……本当の意味で強い竜騎士だ。
カイユには無理だし、俺もまだ自分を完璧にコントロールする自信は無い。
だからこそ俺達『竜騎士』は、竜帝に管理される必要がある……自我を失い、獣にならないためにも。
「残念ながら、まだ何も無いよ」
まだ、ね。
しかも……‘残念’か。
セレスティスはベットに投げ出してあった刀を左手に持ち、何かを確かめるように鍔を右の人差し指で撫でた。
「あ、クロムウェルも連れて行くから……君ってあいつと仲良しだったよね? 後で会っておいでよ……最後になるかもしれないから」
ゆっくりと歩み寄り、セレスティスは窓を開けた。
火の気は一切無いが城内と同じ湯による暖房設備が床下に張り巡らされいた室内に、冷たい外気が一気に流れ込んできた。
頬に感じる冷気が、今の俺には心地良く……ありがたかった。
この人を相手にするには、旦那を相手にする以上の冷静さが必要だと思い知ったからな。