四竜帝の大陸【青の大陸編】
「あ、やっぱ君は流されてくれないね。……気分悪くしちゃった? ごめんね、婿殿」
「いえ。流されかかった俺が未熟なんです」
もともとよそ者の俺はいいが、カイユは……。
「君とカイユを蚊帳の外とか……そういうわけじゃないよ? 君たちは今、四竜帝にとって非常に扱いが難しい立場であり存在なんだ。理由は、分るでしょう?」
「あぁ……なるほどねぇ」
姫さんか。
異界の娘。
<監視者>の伴侶(つがい)。
「つまり、四竜帝は俺等の所有権を旦那に……ってことですかね?」
カイユはあの子の母親になった。
驚いたことに、あの旦那がそう希望したんだ。
ーーーカイユをりこの『母親』にする。
はっきり言わせてもらうと、無茶苦茶だ。
だが、四竜帝は是と言うしかない。
「うん。君達……君・カイユ・ジリギエを‘貰う’って、あの人は陛下に言ったんだ。四竜帝全員、了承している」
俺の息子・ジリギエは、四竜帝以外を<主>をする初めての竜騎士になる。
実際、ジリギエは<青の竜帝>に頭を下げなかった。
あいつはカイユの希望で竜帝より前に<ヴェルヴァイド>と、そのつがいである姫さんに会った。
ジリはあの時、寝ていたんじゃない。
“感じて”いたんだ。
ジリは卵からかえった雛のすり込みのように、竜帝より強い存在を……<ヴェルヴァイド>がこの世で唯一膝を折り、頭を下げる異界の娘を<主>にした。
「陛下が君とカイユに言わなかったのは、この件には係わらないって<監視者>に言われたからなんだ。陛下が何度頼んでも駄目だった」
いろいろ整理して考ると、俺達に言わなかったのは……確かに、良い判断だったかもしれない。
カイユが聞けば、自分も行くと言い張っただろう。
セレスティスとクロムウェルが組んで相手をしなきゃなんねぇほどの術士なら、珠狩りの情報も持っている可能性が高い。
カイユは母親を殺した術士を、ずっと探してきたのだから……命すら惜しまない。
「いえ。流されかかった俺が未熟なんです」
もともとよそ者の俺はいいが、カイユは……。
「君とカイユを蚊帳の外とか……そういうわけじゃないよ? 君たちは今、四竜帝にとって非常に扱いが難しい立場であり存在なんだ。理由は、分るでしょう?」
「あぁ……なるほどねぇ」
姫さんか。
異界の娘。
<監視者>の伴侶(つがい)。
「つまり、四竜帝は俺等の所有権を旦那に……ってことですかね?」
カイユはあの子の母親になった。
驚いたことに、あの旦那がそう希望したんだ。
ーーーカイユをりこの『母親』にする。
はっきり言わせてもらうと、無茶苦茶だ。
だが、四竜帝は是と言うしかない。
「うん。君達……君・カイユ・ジリギエを‘貰う’って、あの人は陛下に言ったんだ。四竜帝全員、了承している」
俺の息子・ジリギエは、四竜帝以外を<主>をする初めての竜騎士になる。
実際、ジリギエは<青の竜帝>に頭を下げなかった。
あいつはカイユの希望で竜帝より前に<ヴェルヴァイド>と、そのつがいである姫さんに会った。
ジリはあの時、寝ていたんじゃない。
“感じて”いたんだ。
ジリは卵からかえった雛のすり込みのように、竜帝より強い存在を……<ヴェルヴァイド>がこの世で唯一膝を折り、頭を下げる異界の娘を<主>にした。
「陛下が君とカイユに言わなかったのは、この件には係わらないって<監視者>に言われたからなんだ。陛下が何度頼んでも駄目だった」
いろいろ整理して考ると、俺達に言わなかったのは……確かに、良い判断だったかもしれない。
カイユが聞けば、自分も行くと言い張っただろう。
セレスティスとクロムウェルが組んで相手をしなきゃなんねぇほどの術士なら、珠狩りの情報も持っている可能性が高い。
カイユは母親を殺した術士を、ずっと探してきたのだから……命すら惜しまない。