四竜帝の大陸【青の大陸編】
だが、旦那はそれをよしとしないだろう。
カイユは旦那にとって現時点で最高の‘部品’なのだから。
「旦那、この件に全く興味無いみたいです。竜族の危機より、嫁に食わせる献立のほうがよっぽど気になるみたいでしたからねぇ」
「あの人、僕達以上の嫁狂いみたいだったからね。冗談に聞こえないよ、それ」
「これ、マジっす」
「……はぁ。陛下に同情しちゃうよ」
セレスティスの水色の眼が、天井に向けられた。
「……さっきもちょっと言ったけどね。青の竜族は先代の散財のせいで、国庫がすっからかんだったんだ」
散財……国庫が空になるほど、先代は金を使ったわけだ。
先代は雌だったが、紅さえ注さない……華美を好まない性格だったと母さんに聞いたことがある。
まともなことに使ったんじゃねぇな。
もしかして。
金が無くなったのは……。
「ちょっと賢い猿みたいな人間を空から見下ろして、竜体で気ままに暮らせてた時代じゃないんだ。竜族が人間と平和的に共存していくのに必要なものは、近代種の特徴である穏やかな性質なんかじゃない」
セレスティスは手に持っていた刀を腰に差し、柄を指先で数回弾いた。
「金だよ、金」
水色の瞳には確かに俺がいるのに、セレスティスが見ているのは俺じゃなくて……違う何かなのかもしれない。
カイユは旦那にとって現時点で最高の‘部品’なのだから。
「旦那、この件に全く興味無いみたいです。竜族の危機より、嫁に食わせる献立のほうがよっぽど気になるみたいでしたからねぇ」
「あの人、僕達以上の嫁狂いみたいだったからね。冗談に聞こえないよ、それ」
「これ、マジっす」
「……はぁ。陛下に同情しちゃうよ」
セレスティスの水色の眼が、天井に向けられた。
「……さっきもちょっと言ったけどね。青の竜族は先代の散財のせいで、国庫がすっからかんだったんだ」
散財……国庫が空になるほど、先代は金を使ったわけだ。
先代は雌だったが、紅さえ注さない……華美を好まない性格だったと母さんに聞いたことがある。
まともなことに使ったんじゃねぇな。
もしかして。
金が無くなったのは……。
「ちょっと賢い猿みたいな人間を空から見下ろして、竜体で気ままに暮らせてた時代じゃないんだ。竜族が人間と平和的に共存していくのに必要なものは、近代種の特徴である穏やかな性質なんかじゃない」
セレスティスは手に持っていた刀を腰に差し、柄を指先で数回弾いた。
「金だよ、金」
水色の瞳には確かに俺がいるのに、セレスティスが見ているのは俺じゃなくて……違う何かなのかもしれない。