四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ペルドリヌ……あれは予想外だったね。怒り狂って、ついでに人間全部処分しちゃうの期待してたんだけど。上手くいかないもんだね」

予想外……。
予想!?

「まさか、あんた……」

なんてこった。 
勘弁してくれよ!

「ふふっ。僕は君達が首尾よくおちびちゃんを連れて城に戻って来る前から、カイユに頼まれて帝都のお掃除の準備をしてたんだ。……おちびちゃんに手をあげたあの術士は、わざと城に入れてあげたんだよ」

ちったぁ、手加減してくれよ。

「あ、陛下は関係ないからね。この件に関しては僕だけ……<監視者>の怒りが僕個人にくるのも大歓迎だったし、どう転んでも損は無かったんだ」

ああハニー、君の親父はとんでもねぇにもほどがあり過ぎだ!
 
「……ねぇ婿殿。君が先日、四竜帝に提案した方法は最終手段だ。ぎりぎりまで、待て……待ってくれ」

セレスティスの顔から、笑顔が消えた。
四竜帝への提案。

「っ……」

その事をこの人が知っていると思っていなかった俺は、答えに窮した。
あのなぁ陛下、カイユの父親であるセレスティスには、俺としちゃぁ知られたくはなかったんだけどねぇ。

「陛下は……あんたにゃ何でも、ぺらぺら喋っちまうんですねぇ……」

俺は電鏡の間で四竜帝に集まってもらい、ある提案をした。

「……他に方法があるって、あんたも言うんですか? 不死どころか個体強化にも失敗したって、旦那は言ってんですよ!? 人間の寿命は短い。のんびり構えてちゃ、手遅れになる」

<監視者>のつがいをこの世に留めおくために、導師の‘やり方‘を使えないかと。

俺は四竜帝に、そう提案した。

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