四竜帝の大陸【青の大陸編】
「それ、だ」
「ハクちゃんの忘れ物だって、セシーさんがセイフォンから持ってきてくれたこれ……私へのお手紙だったの? わぁ、嬉しい……」
両手で封筒を持ち直し、私への手紙だったことに感動していると。
「恋文だ」
腕組みをして仁王立ちしている無意味に偉そうな態度のハクちゃんが、そう言った。
「こっ?」
こ、恋文~っ!?
恋文って、ラブレター!?
生まれてこのかた、そんな甘酸っぱいモノ貰ったことも書いたこともないんですけどっ!
「あ、あ……ありがとう! 今ここで読んでもいい!?」
「良いぞ」
セイフォンで、ハクちゃんはずっと竜体だった。
小さな手で四本の指でペンを握って、一生懸命に文字を練習していた姿が浮かんでくる。
「…………あ」
封のしていないピンクの小花模様の可愛らしい長方形の封筒の中には、同じ柄の便箋が1枚。
そこには同じ言葉が、繰り返し書かれていた。
隙間無く。
縦横無尽に。
文字が紙面を埋め尽くしていた。
『好きだ』
その言葉だけ。
「……ハクちゃ……ん、これ……」
たくさん。
たくさん、たくさん。
ひしめき合い、重なり。
溢れんばかりに、同じ言葉が。
『好きだ』
それだけで。
それだけが。
ここに書かれた、全て。
「我はりこが好きだ。だから、好きだと書いたのだ」
ああ、私。
なんて幸せな女なんだろう。
「ハクちゃんの忘れ物だって、セシーさんがセイフォンから持ってきてくれたこれ……私へのお手紙だったの? わぁ、嬉しい……」
両手で封筒を持ち直し、私への手紙だったことに感動していると。
「恋文だ」
腕組みをして仁王立ちしている無意味に偉そうな態度のハクちゃんが、そう言った。
「こっ?」
こ、恋文~っ!?
恋文って、ラブレター!?
生まれてこのかた、そんな甘酸っぱいモノ貰ったことも書いたこともないんですけどっ!
「あ、あ……ありがとう! 今ここで読んでもいい!?」
「良いぞ」
セイフォンで、ハクちゃんはずっと竜体だった。
小さな手で四本の指でペンを握って、一生懸命に文字を練習していた姿が浮かんでくる。
「…………あ」
封のしていないピンクの小花模様の可愛らしい長方形の封筒の中には、同じ柄の便箋が1枚。
そこには同じ言葉が、繰り返し書かれていた。
隙間無く。
縦横無尽に。
文字が紙面を埋め尽くしていた。
『好きだ』
その言葉だけ。
「……ハクちゃ……ん、これ……」
たくさん。
たくさん、たくさん。
ひしめき合い、重なり。
溢れんばかりに、同じ言葉が。
『好きだ』
それだけで。
それだけが。
ここに書かれた、全て。
「我はりこが好きだ。だから、好きだと書いたのだ」
ああ、私。
なんて幸せな女なんだろう。