四竜帝の大陸【青の大陸編】
102
ダルフェが開けた扉から、勢いよくこちらへと突進し。
「<監視者>様!」
<青>が各国要人との会談に使っているいくつかの部屋のうち、最も色彩豊かな内装のそこで。
メリルーシェの第二皇女は、その細い腕で我を捕獲した。
「貴方様がわたくしを、こうして出迎えてくださるなんて! あぁ、夢のようですわっ」
我の胸部に顔を押し付け、皇女は擦るように動かした。
「…………」
出迎え?
そのようなつもりは全く無いのだが。
「……嬉しい……わたくし、とても嬉しいっ……」
皇女が嬉しいかろうと、我には関係が無い。
「あぁ、わたくしの愛しいお方……こうして貴方様に再び触れることができるなど、思ってもいなかった……わたくしは、わたくしはっ」
途切れた声と、溢れる涙。
我を抱く腕に、さらに力が加わる。
「貴方様に妻がいようと、他に愛する者がいようとわたくしの想いは変わりませぬっ」
この皇女は、他の女達と少々違う。
「わたくしは初めて御会いした日より、貴方様を……この世で最も貴方様を愛しているのは、このわたくしですわ……」
自分の思うままに我に触れ、愛を告げる。
欲しがらぬ我に、自分の全てを叩きつけてくる。
「<監視者>様!」
<青>が各国要人との会談に使っているいくつかの部屋のうち、最も色彩豊かな内装のそこで。
メリルーシェの第二皇女は、その細い腕で我を捕獲した。
「貴方様がわたくしを、こうして出迎えてくださるなんて! あぁ、夢のようですわっ」
我の胸部に顔を押し付け、皇女は擦るように動かした。
「…………」
出迎え?
そのようなつもりは全く無いのだが。
「……嬉しい……わたくし、とても嬉しいっ……」
皇女が嬉しいかろうと、我には関係が無い。
「あぁ、わたくしの愛しいお方……こうして貴方様に再び触れることができるなど、思ってもいなかった……わたくしは、わたくしはっ」
途切れた声と、溢れる涙。
我を抱く腕に、さらに力が加わる。
「貴方様に妻がいようと、他に愛する者がいようとわたくしの想いは変わりませぬっ」
この皇女は、他の女達と少々違う。
「わたくしは初めて御会いした日より、貴方様を……この世で最も貴方様を愛しているのは、このわたくしですわ……」
自分の思うままに我に触れ、愛を告げる。
欲しがらぬ我に、自分の全てを叩きつけてくる。