四竜帝の大陸【青の大陸編】
手の平に収まるほどの大きさのそれを包みから出し、両手に乗せ我に差し出す。
「わたくし、<つがいの君>にこの異界の品をお見せし、もしご希望ならば差し上げたいと考えております」
「ふ~ん、それをうちの姫さんにくれるの? 金属製の玩具か?」
軽い口調とは反対に、緑の瞳には鋭さが増す。
ダルフェは皇女を観察し、魔薬の痕跡を探っているのだろう。
「さあ? これが何であるか異界の方ならご存知でしょうから、ぜひお聞きしたいと思っていますの」
「異界の物は宝石類なんかより貴重で高価だから、手放さない人間が多いんだけどねぇ。ま、こんなんで<監視者>とこうして会えるんだったら、安いモンか」
この皇女を、ダルフェはわざと刺激している。
感情を昂ぶらせ、術式で攻撃されることを望んでいる。
「あんた、分かってたんだろう? お人好しの<青の竜帝>なら、姫さんに会わせる前にあんたと旦那が話す時間を作るって。だからスキッテルの店で旦那じゃなく姫さんに……皇女様の計算通りに進んで、満足だろう?」
それが最も簡単な魔薬使用者判別方法だからな。
ダルフェは警戒し、剣から手を離さない。
我を守る為などではなく、自分の身を守るためだ。
「……<つがいの君>は異界の御方。故郷の品は、多少なりとお心を慰めることができるかと……<監視者>様、貴方様の奥方様とわたくしは良き友人になれると思います。力ある者が后を複数持つ事は当然です。今後は妾妃の一人として、わたくしをお側に置いてくださいませぬか?」
妾妃?
妾妃など、我には不要だ。
「…………異界の品か」
我はこの第二皇女に興味が無い。
金属で出来たこの異界の品物にも、興味は無い。
これとりこを会わせることも、異界の品をりこに見せることも反対する気が無い。
「我のりこは」
我が興味があるのは。
異界の品を手に取ったりこがどのような表情をし、感情を抱くかということだ。
「わたくし、<つがいの君>にこの異界の品をお見せし、もしご希望ならば差し上げたいと考えております」
「ふ~ん、それをうちの姫さんにくれるの? 金属製の玩具か?」
軽い口調とは反対に、緑の瞳には鋭さが増す。
ダルフェは皇女を観察し、魔薬の痕跡を探っているのだろう。
「さあ? これが何であるか異界の方ならご存知でしょうから、ぜひお聞きしたいと思っていますの」
「異界の物は宝石類なんかより貴重で高価だから、手放さない人間が多いんだけどねぇ。ま、こんなんで<監視者>とこうして会えるんだったら、安いモンか」
この皇女を、ダルフェはわざと刺激している。
感情を昂ぶらせ、術式で攻撃されることを望んでいる。
「あんた、分かってたんだろう? お人好しの<青の竜帝>なら、姫さんに会わせる前にあんたと旦那が話す時間を作るって。だからスキッテルの店で旦那じゃなく姫さんに……皇女様の計算通りに進んで、満足だろう?」
それが最も簡単な魔薬使用者判別方法だからな。
ダルフェは警戒し、剣から手を離さない。
我を守る為などではなく、自分の身を守るためだ。
「……<つがいの君>は異界の御方。故郷の品は、多少なりとお心を慰めることができるかと……<監視者>様、貴方様の奥方様とわたくしは良き友人になれると思います。力ある者が后を複数持つ事は当然です。今後は妾妃の一人として、わたくしをお側に置いてくださいませぬか?」
妾妃?
妾妃など、我には不要だ。
「…………異界の品か」
我はこの第二皇女に興味が無い。
金属で出来たこの異界の品物にも、興味は無い。
これとりこを会わせることも、異界の品をりこに見せることも反対する気が無い。
「我のりこは」
我が興味があるのは。
異界の品を手に取ったりこがどのような表情をし、感情を抱くかということだ。