四竜帝の大陸【青の大陸編】
以前、<青>が異界の玩具をりこへと持ってきた時。
我はそれを、この手で壊した。
りこは、我を責めなかった。
「喜ぶ、だろう」
我に与えられたのは。
不注意を罵る言葉ではなく、刃物も通さぬ硬い鱗に覆われた手指を案じるモノだった。
それは罪悪感では無く、快感を我に与えた。
何度でも、味わいたいほどの悦楽。
「り……りこ?」
だから。
「りこ? ……ひぐぅっ!?」
我は右手で掴んだ皇女の首を、すぐに放した。
痕が出来るやも知れぬが折らなかったので、我ながら上出来だ。
「その名は夫である我だけのものだ」
同じ過ちを犯した豚教主は挽き肉した我だが、この皇女は挽き肉にはしない。
「二度は無い」
座り込んだ皇女の前に膝を着き。
緊張ゆえか、汗ばんだ額に張り付いた前髪に触れた。
指先が触れると、青ざめた顔が一瞬のうちに変化した。
「<監視者>様、わたくしは……貴方様を……」
熱いほどに、あたたかい皇女の肌。
肌を重ねた時は感じなかった、気づかなかった温度……体温。
我から触れたのは、初めてだからか?
我はそれを、この手で壊した。
りこは、我を責めなかった。
「喜ぶ、だろう」
我に与えられたのは。
不注意を罵る言葉ではなく、刃物も通さぬ硬い鱗に覆われた手指を案じるモノだった。
それは罪悪感では無く、快感を我に与えた。
何度でも、味わいたいほどの悦楽。
「り……りこ?」
だから。
「りこ? ……ひぐぅっ!?」
我は右手で掴んだ皇女の首を、すぐに放した。
痕が出来るやも知れぬが折らなかったので、我ながら上出来だ。
「その名は夫である我だけのものだ」
同じ過ちを犯した豚教主は挽き肉した我だが、この皇女は挽き肉にはしない。
「二度は無い」
座り込んだ皇女の前に膝を着き。
緊張ゆえか、汗ばんだ額に張り付いた前髪に触れた。
指先が触れると、青ざめた顔が一瞬のうちに変化した。
「<監視者>様、わたくしは……貴方様を……」
熱いほどに、あたたかい皇女の肌。
肌を重ねた時は感じなかった、気づかなかった温度……体温。
我から触れたのは、初めてだからか?