四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ハク、私……えっ!?」
皇女様が私の手をとり、携帯を強引に握らせたことに驚いていると。
「差し上げますわ、遠慮なさらないで」
私より背が高い皇女様は顔を寄せ、私を覗き込むようにしてそう言った。
「あ、ありがとうございます。でも、私にはこれは必要の無いものです……お返しします。見せてくださってありがとうございました」
握らされたそれを手放したくなくなる前に、今度は私が皇女様の手をとって携帯を渡そうとしたら。
先に皇女様が私の手をとり、携帯を握っている私の手の甲を優しく撫でた。
「……あ、あのっ、手……」
柔らかな手のひらで、8の字を書くように。
「ねぇ、聞いてくださる?」
それは、とても優しい動きで。
優し過ぎて……振りほどけない。
「え、あっ……」
私を見ていた茶色の瞳が、動いた。
薄茶の目が私ではない、誰かを映す。
「あの方。わたくしの名を知らないのですって」
それは、白い……。
ハク。
「あなた、それを知ってらしたんでしょう?」
「わ、私は……つっ!?」
私の手を掴む皇女様の手が、熱湯のように熱くなった。
皇女様が私の手をとり、携帯を強引に握らせたことに驚いていると。
「差し上げますわ、遠慮なさらないで」
私より背が高い皇女様は顔を寄せ、私を覗き込むようにしてそう言った。
「あ、ありがとうございます。でも、私にはこれは必要の無いものです……お返しします。見せてくださってありがとうございました」
握らされたそれを手放したくなくなる前に、今度は私が皇女様の手をとって携帯を渡そうとしたら。
先に皇女様が私の手をとり、携帯を握っている私の手の甲を優しく撫でた。
「……あ、あのっ、手……」
柔らかな手のひらで、8の字を書くように。
「ねぇ、聞いてくださる?」
それは、とても優しい動きで。
優し過ぎて……振りほどけない。
「え、あっ……」
私を見ていた茶色の瞳が、動いた。
薄茶の目が私ではない、誰かを映す。
「あの方。わたくしの名を知らないのですって」
それは、白い……。
ハク。
「あなた、それを知ってらしたんでしょう?」
「わ、私は……つっ!?」
私の手を掴む皇女様の手が、熱湯のように熱くなった。