四竜帝の大陸【青の大陸編】
104
「私はっ……私は…また、守れなかったっ!!」
胸を裂かれるようなその叫びに、俺はハニーを抱く腕にさらに力を込めた。
「カイユッ! 落ち着くんだっ、大丈夫だから! 旦那がいるんだから、大丈夫に決まってる!」
大丈夫と言いながら。
何がどう大丈夫なんだか、言ってる自分も分かっていない。
今の俺の頭を占めるのはカイユのことだけで、姫さんのことなど考える余裕など無い。
カイユは、カイユが俺の全てなのだから。
これ以上心に負担がかかったら、カイユは……完全に壊れ、狂ってしまった竜騎士は生かしておくには危険すぎる。
自我を失い獣に堕ちた竜騎士は、『飼い主』である竜帝が始末するのが決まりだ。
そんなこと、させるものか!
「なんで? なんでこんなこと……になったのよ!? 母様だけじゃなく、あの子まで私から奪うの!? ねぇ、ダルフェ……テオ、テオ。あなただって私とジリギエを置いて、逝ってしまうんでしょう!?」
混乱した激情に押し出され、普段は口にしない秘めた想いが震える唇から吐き出された。
「ア、アリーリアッ……」
「ねぇ、ダルフェ……テオ、テオ。お願い、置いていかないで……独りにしないで。側にいて」
俺には答えるべき言葉が、言うべき言葉が見つからない。
たとえその場しのぎの嘘だとしても、ずっと側にいると言えない自分に吐き気がした。
見開いたままの水色の瞳が痛々しくて、こんな自分が情けなくて。
俺はすがる思いでカイユの頬に、自分のそれを触れ合わせた。
「……愛してる、愛してるよアリーリア。俺は誰よりも、君を愛している……だから、だからっ……」
触れ合う肌はあたかかく、俺はその体温にカイユが生きていることを改めて実感し、腕の中の愛しい人が無事だったことに感謝した。
姫さんが殺され……なにかがあったその場にいて、生き残れたなんて。
生き残れた、なんて。
生きてる、なんて。
世界が、残ってるなんて。
「……あ」
あの子を失ったら旦那は……何故だ?
なんで俺達は生きてるんだ!?
胸を裂かれるようなその叫びに、俺はハニーを抱く腕にさらに力を込めた。
「カイユッ! 落ち着くんだっ、大丈夫だから! 旦那がいるんだから、大丈夫に決まってる!」
大丈夫と言いながら。
何がどう大丈夫なんだか、言ってる自分も分かっていない。
今の俺の頭を占めるのはカイユのことだけで、姫さんのことなど考える余裕など無い。
カイユは、カイユが俺の全てなのだから。
これ以上心に負担がかかったら、カイユは……完全に壊れ、狂ってしまった竜騎士は生かしておくには危険すぎる。
自我を失い獣に堕ちた竜騎士は、『飼い主』である竜帝が始末するのが決まりだ。
そんなこと、させるものか!
「なんで? なんでこんなこと……になったのよ!? 母様だけじゃなく、あの子まで私から奪うの!? ねぇ、ダルフェ……テオ、テオ。あなただって私とジリギエを置いて、逝ってしまうんでしょう!?」
混乱した激情に押し出され、普段は口にしない秘めた想いが震える唇から吐き出された。
「ア、アリーリアッ……」
「ねぇ、ダルフェ……テオ、テオ。お願い、置いていかないで……独りにしないで。側にいて」
俺には答えるべき言葉が、言うべき言葉が見つからない。
たとえその場しのぎの嘘だとしても、ずっと側にいると言えない自分に吐き気がした。
見開いたままの水色の瞳が痛々しくて、こんな自分が情けなくて。
俺はすがる思いでカイユの頬に、自分のそれを触れ合わせた。
「……愛してる、愛してるよアリーリア。俺は誰よりも、君を愛している……だから、だからっ……」
触れ合う肌はあたかかく、俺はその体温にカイユが生きていることを改めて実感し、腕の中の愛しい人が無事だったことに感謝した。
姫さんが殺され……なにかがあったその場にいて、生き残れたなんて。
生き残れた、なんて。
生きてる、なんて。
世界が、残ってるなんて。
「……あ」
あの子を失ったら旦那は……何故だ?
なんで俺達は生きてるんだ!?