四竜帝の大陸【青の大陸編】
俺のカイユは生きていて、世界も変わらずここにある。
それは、つまり。
「カイユ、大丈夫だ」
つまり。
「姫さんは、生きている」
て、ことだ。
「きっと、大丈夫さ。すぐに旦那が、姫さんを抱いて現れるって!」
「ダルフェ……」
俺は足で瓦礫を掃い、カイユを座らせた。
立ち上がろうとするカイユの肩に手を置き、言い聞かせるように言った。
「腕を治すのが先だ。旦那が姫さんと戻って来た時、その腕を見たらあの子は泣くよ?」
俺の言葉にカイユが徐々に落ち着きを取り戻していくのが、触れた身体と俺を真っ直ぐに見つめる瞳から伝わってきた。
「ハニー、君が思ってる以上に旦那は強い……無意味に強すぎて気の毒になるほど、強いんだ。その旦那が姫さんを守れないなんてことはないさ」
餓鬼の時から<ヴェルヴァイド>を見てきた俺は、カイユの知らない旦那を知っている。
あの人は確かにちょっと……だいぶ“変”だが、自分の強さを分かっている。
その旦那が同席していて姫さんが死ぬなんて、有り得ない。
そうだ、有り得ないんだ。
あっちゃ、いけないんだよ!
俺達の<ヴェルヴァイド>は世界最強でなきゃ駄目なんだ!!
「でも、ダルフェ。あの女はトリィ様をっ……ヴェルヴァイド様っ!?」
池の手前の瓦礫の山が、派手な音を立てて崩れた。
温室の天井に使われていた強化ガラスが床に叩きつけられ、耳の奥が切り裂かれるような叫びをあげる。
「……」
「……背中重そうっすね、旦那」
旦那の背には、天に向かって5枚の羽が生えていた。
それは、つまり。
「カイユ、大丈夫だ」
つまり。
「姫さんは、生きている」
て、ことだ。
「きっと、大丈夫さ。すぐに旦那が、姫さんを抱いて現れるって!」
「ダルフェ……」
俺は足で瓦礫を掃い、カイユを座らせた。
立ち上がろうとするカイユの肩に手を置き、言い聞かせるように言った。
「腕を治すのが先だ。旦那が姫さんと戻って来た時、その腕を見たらあの子は泣くよ?」
俺の言葉にカイユが徐々に落ち着きを取り戻していくのが、触れた身体と俺を真っ直ぐに見つめる瞳から伝わってきた。
「ハニー、君が思ってる以上に旦那は強い……無意味に強すぎて気の毒になるほど、強いんだ。その旦那が姫さんを守れないなんてことはないさ」
餓鬼の時から<ヴェルヴァイド>を見てきた俺は、カイユの知らない旦那を知っている。
あの人は確かにちょっと……だいぶ“変”だが、自分の強さを分かっている。
その旦那が同席していて姫さんが死ぬなんて、有り得ない。
そうだ、有り得ないんだ。
あっちゃ、いけないんだよ!
俺達の<ヴェルヴァイド>は世界最強でなきゃ駄目なんだ!!
「でも、ダルフェ。あの女はトリィ様をっ……ヴェルヴァイド様っ!?」
池の手前の瓦礫の山が、派手な音を立てて崩れた。
温室の天井に使われていた強化ガラスが床に叩きつけられ、耳の奥が切り裂かれるような叫びをあげる。
「……」
「……背中重そうっすね、旦那」
旦那の背には、天に向かって5枚の羽が生えていた。