四竜帝の大陸【青の大陸編】
「おいおい、トラブルはごめんだぜ? これを探している雄がいるかもしれないんだろう? なら、こいつは此処にそのまま捨てておきゃいいじゃないか。あ! それか帝都に連れて行って赤の竜帝に引き渡せば、謝礼金がたんまり貰えるんじゃねぇか!?」
え?
今、赤の竜帝って言ったよね!?
赤の……じゃあ此処は、赤の大陸なの!?
「何を言っている。もったいないだろう? 竜族にどれだけ価値があるか知らないのか? その筋の人種にこのまま売ってもいいし、飼って血肉を卸してもいい。さて、この大蜥蜴の雌はいくら稼がせてくれるやら」
う、売る!?
飼って血肉って……この人達から逃げなきゃ駄目!
この人達、怖い。
竜族をまるで動物のように考えてる、『人』だと思っていない!
「竜族か人間か、簡単に判別する方法を知っているか? 知らないだろう? せっかくだから教えてやるよ」
「何する気だよ?」
震えて立ち上がれない足を握った手で叩き、動けと命令しても地面をするようにつま先が小石を蹴るだけ。
この人達は、私を赤の竜帝さんとは絶対に会わせてくれない!
逃げなきゃ駄目。
なんとかして自力で逃げなきゃなのに、焦れば焦るほど足は言うことを聞いてくれない。
「簡単だ。竜族は人間とは治癒速度が違う、これも個体差があるらしいが…………それ、貸してくれ」
足を叩いていた右腕を強く掴まれ、袖をまくられた。
背が高く、がっちりとした体格の人が腰に差していた剣を抜き、私の側に膝をついた男の人に手渡した。
---やっ、なに!? まさか……ハク、ハクッ、ハク!
もっと大きな声で、強い気持ちを持てば声に音が戻ってくるかもしれないと、もう一度叫んだ。
これ以上無いほど大きな声を出したはずなのに、私の声には音が無い。
え?
今、赤の竜帝って言ったよね!?
赤の……じゃあ此処は、赤の大陸なの!?
「何を言っている。もったいないだろう? 竜族にどれだけ価値があるか知らないのか? その筋の人種にこのまま売ってもいいし、飼って血肉を卸してもいい。さて、この大蜥蜴の雌はいくら稼がせてくれるやら」
う、売る!?
飼って血肉って……この人達から逃げなきゃ駄目!
この人達、怖い。
竜族をまるで動物のように考えてる、『人』だと思っていない!
「竜族か人間か、簡単に判別する方法を知っているか? 知らないだろう? せっかくだから教えてやるよ」
「何する気だよ?」
震えて立ち上がれない足を握った手で叩き、動けと命令しても地面をするようにつま先が小石を蹴るだけ。
この人達は、私を赤の竜帝さんとは絶対に会わせてくれない!
逃げなきゃ駄目。
なんとかして自力で逃げなきゃなのに、焦れば焦るほど足は言うことを聞いてくれない。
「簡単だ。竜族は人間とは治癒速度が違う、これも個体差があるらしいが…………それ、貸してくれ」
足を叩いていた右腕を強く掴まれ、袖をまくられた。
背が高く、がっちりとした体格の人が腰に差していた剣を抜き、私の側に膝をついた男の人に手渡した。
---やっ、なに!? まさか……ハク、ハクッ、ハク!
もっと大きな声で、強い気持ちを持てば声に音が戻ってくるかもしれないと、もう一度叫んだ。
これ以上無いほど大きな声を出したはずなのに、私の声には音が無い。