四竜帝の大陸【青の大陸編】
『カイユ……ハクちゃん。ハクちゃん! どこ?』
『トリィ様、ヴェルヴァイド様はすぐ戻ると言って夫と……トリィ様!?』
私はグラスを投げ捨て、走り出した。
ハクちゃん。
ハクちゃんがいない?
嘘。
そんなはずない。
部屋にいるよね?
ちょっと離れただけだよね?
「ハクちゃん!」
乱暴に扉を開き、室内を見回した。
いない。
寝室のほうかもっ!
「ハク……ハクちゃん!!」
天蓋付きの大きなベット。
駆け寄って布団を剥がし、枕を床に放り投げた。
「……ハクちゃん?」
初めてこのベットを見たときはすごく驚いた。
なんかあの有名姉妹が使ってそうで……テレビで見たのか、前にもこんな事を考えたような気がしたっけ。
あぁ、どうしてなの。
どうして、いないの?
「嘘つき」
『ト……トリィ様、どうなされまし……トリィ様!』
ぐるぐる ぐるぐる まわってる
世界が まわって
ゆらゆら ながされ おちていく
『トリィ様!? トリィ様っ!』
トリィ
なにそれ
ちがう ちがうよ
とりい だよ
とりい りこ だよ
「私は鳥居りこだよ」
なまえ ほんとの なまえ
よんで わたしの なまえ
「ひとりにしないで」
『トリィ様っ!!』
全身の力が抜けてベッドに倒れこんでしまった私に、カイユさんが何か言ってる。
分からない。
苦しいの。
息が……できない。
苦しい。
怖いよ。
助けて。
助けて、ハクちゃん。
私を。
独りにしないで。
『トリィ様、ヴェルヴァイド様はすぐ戻ると言って夫と……トリィ様!?』
私はグラスを投げ捨て、走り出した。
ハクちゃん。
ハクちゃんがいない?
嘘。
そんなはずない。
部屋にいるよね?
ちょっと離れただけだよね?
「ハクちゃん!」
乱暴に扉を開き、室内を見回した。
いない。
寝室のほうかもっ!
「ハク……ハクちゃん!!」
天蓋付きの大きなベット。
駆け寄って布団を剥がし、枕を床に放り投げた。
「……ハクちゃん?」
初めてこのベットを見たときはすごく驚いた。
なんかあの有名姉妹が使ってそうで……テレビで見たのか、前にもこんな事を考えたような気がしたっけ。
あぁ、どうしてなの。
どうして、いないの?
「嘘つき」
『ト……トリィ様、どうなされまし……トリィ様!』
ぐるぐる ぐるぐる まわってる
世界が まわって
ゆらゆら ながされ おちていく
『トリィ様!? トリィ様っ!』
トリィ
なにそれ
ちがう ちがうよ
とりい だよ
とりい りこ だよ
「私は鳥居りこだよ」
なまえ ほんとの なまえ
よんで わたしの なまえ
「ひとりにしないで」
『トリィ様っ!!』
全身の力が抜けてベッドに倒れこんでしまった私に、カイユさんが何か言ってる。
分からない。
苦しいの。
息が……できない。
苦しい。
怖いよ。
助けて。
助けて、ハクちゃん。
私を。
独りにしないで。