四竜帝の大陸【青の大陸編】
107
――ハクちゃん、ハクちゃ……ハク、ハクッ!!
身体の中で、強く激しく血液が駆け出して。
まるで心臓が身体から剥きだしになってしまったかのように、激しい鼓動が傷つけられた手から全身に広がった。
――ハクッ、ハクッ! ハク!!
どんなに叫んでも、声にはならなくて。
でも、そうせずにはいられない。
私の手の甲には、信じ難い異物感。
刺された刃物が貫通する感覚など、知りたくなかった。
痛みと、それを上回る恐怖が私をがんじがらめに縛って動けない。
声が出ないと分かっていても、ハクの名を叫ばずにはいられなかった。
彼の名を口にしないと、自分を保っていられなくなりそうだった。
ここにいないハクに、心の中で必死にしがみつく。
そうしていないと、そうしないと私は……。
怖い。
怖い!
この人は、この人達は。
笑いながら他人を傷つけることができる。
身体の中で、強く激しく血液が駆け出して。
まるで心臓が身体から剥きだしになってしまったかのように、激しい鼓動が傷つけられた手から全身に広がった。
――ハクッ、ハクッ! ハク!!
どんなに叫んでも、声にはならなくて。
でも、そうせずにはいられない。
私の手の甲には、信じ難い異物感。
刺された刃物が貫通する感覚など、知りたくなかった。
痛みと、それを上回る恐怖が私をがんじがらめに縛って動けない。
声が出ないと分かっていても、ハクの名を叫ばずにはいられなかった。
彼の名を口にしないと、自分を保っていられなくなりそうだった。
ここにいないハクに、心の中で必死にしがみつく。
そうしていないと、そうしないと私は……。
怖い。
怖い!
この人は、この人達は。
笑いながら他人を傷つけることができる。