四竜帝の大陸【青の大陸編】
「数日中に赤の大陸に戻ろうと思います。陛下には大陸間飛行の許可をいただきました」
姫さんと旦那の、噛み合わない様で噛み合っている会話。
その会話が作り出す空気が、俺は嫌いじゃなかった
あの子に“伝えたい”という気持ち。
気持ちを口にし、声にして出す。
愛しいつがいと“声”で繋がる『会話』は、身体を繋げることにも似て……俺達雄竜にとって、至福の時間になるのだから。
「……とりあえず、俺だけ発ちます。あっちで赤の竜帝陛下を補佐し、捜索指揮を執ります」
『あの子が生きていることを疑っていない自分』が言うであろう言葉を、脳内で組み立ててから口にした。
<ヴェルヴァイド>を刺激しないように注意をはらい接することを、俺は四竜帝に命じられていた。
本当は。
大声で言いたかった。
ジリギエのように言いたかった、叫びたかった。
起きろ!
起きて、此処から出て行け!
あんたのつがいを探しに行けっ!
世界を駆けずり回って探してこいよ!
死んでいたなら……あの子を食うって、約束したんだろう!?
あの時あんたが、そう言ってたじゃないか!!
それを口に出来ない自分に、腹の底から怒りがこみ上げる。
この5日間、俺はそれを表面に出さないようにしてきた。
だが、そろそろ限界だった。
俺は短気な性質じゃないと思っていたんだが……。
いつまでたっても動かない、予想外の旦那の態度が俺の神経を日々削っていた。
姫さんと旦那の、噛み合わない様で噛み合っている会話。
その会話が作り出す空気が、俺は嫌いじゃなかった
あの子に“伝えたい”という気持ち。
気持ちを口にし、声にして出す。
愛しいつがいと“声”で繋がる『会話』は、身体を繋げることにも似て……俺達雄竜にとって、至福の時間になるのだから。
「……とりあえず、俺だけ発ちます。あっちで赤の竜帝陛下を補佐し、捜索指揮を執ります」
『あの子が生きていることを疑っていない自分』が言うであろう言葉を、脳内で組み立ててから口にした。
<ヴェルヴァイド>を刺激しないように注意をはらい接することを、俺は四竜帝に命じられていた。
本当は。
大声で言いたかった。
ジリギエのように言いたかった、叫びたかった。
起きろ!
起きて、此処から出て行け!
あんたのつがいを探しに行けっ!
世界を駆けずり回って探してこいよ!
死んでいたなら……あの子を食うって、約束したんだろう!?
あの時あんたが、そう言ってたじゃないか!!
それを口に出来ない自分に、腹の底から怒りがこみ上げる。
この5日間、俺はそれを表面に出さないようにしてきた。
だが、そろそろ限界だった。
俺は短気な性質じゃないと思っていたんだが……。
いつまでたっても動かない、予想外の旦那の態度が俺の神経を日々削っていた。