四竜帝の大陸【青の大陸編】
109
重苦しい空気の漂う真っ暗な電鏡の間に、場違いな声が響いた。
「会いたかったよぉおお、ダッく~んっ!!」
「……ぶぼっ!?」
両手で口を覆い、四竜帝だけでなく愛するハニーの前で無様な様を晒すのを回避した。
俺が噴出す事態が回避されても、目の前のそれは既に回避不可能。
俺が到着する前に青の竜帝陛下を始め他の竜帝達、そしてカイユにも既に見られてしまった状況だからなぁ~。
うん。
ジリギエを連れて来なくて、正解だった。
「ダッ君、ダッ君!」
<赤の竜帝>を映すはずの電鏡には、あるべき姿は見当たらず。
そこの居るのは禁句指定したい“ダッ君”を連呼する、ミルクチョコレートのような目を細めて手を振る人物……あれを人物と言っていいのか!?
両手を左右に動かしているその手は“手”とは言い難い形状をしていた。
翼、いや翼になる前のその独特の形……。
「……父さん」
俺の父親エルゲリスト。
親父は黄色かった。
”ふわふわ”でも“もこもこ”。
そして“ぽてっ”としていた。
ひよこ男。
それは思っていた通り、俺の父親だった。
「会いたかったよぉおお、ダッく~んっ!!」
「……ぶぼっ!?」
両手で口を覆い、四竜帝だけでなく愛するハニーの前で無様な様を晒すのを回避した。
俺が噴出す事態が回避されても、目の前のそれは既に回避不可能。
俺が到着する前に青の竜帝陛下を始め他の竜帝達、そしてカイユにも既に見られてしまった状況だからなぁ~。
うん。
ジリギエを連れて来なくて、正解だった。
「ダッ君、ダッ君!」
<赤の竜帝>を映すはずの電鏡には、あるべき姿は見当たらず。
そこの居るのは禁句指定したい“ダッ君”を連呼する、ミルクチョコレートのような目を細めて手を振る人物……あれを人物と言っていいのか!?
両手を左右に動かしているその手は“手”とは言い難い形状をしていた。
翼、いや翼になる前のその独特の形……。
「……父さん」
俺の父親エルゲリスト。
親父は黄色かった。
”ふわふわ”でも“もこもこ”。
そして“ぽてっ”としていた。
ひよこ男。
それは思っていた通り、俺の父親だった。