四竜帝の大陸【青の大陸編】
「俺、旦那を呼びに南棟に行って来ます……行かせてください」
久々に揃った相変わらずな両親に、ちょっと席を外させて下さい的な気分に俺はなってしまった。
そんな俺を引き止めたのは、短鞭でつがいの雄の頬を撫でている女王様ではなく。
「<赤>、942足りぬぞ」
聞き覚えのあり過ぎる、それ。
久しぶりに、その声を聞いた。
「旦那っ!?」
「ヴェルヴァイド……なっ!?」
「イドイドッ!? ウキャァアアッ!!」
「じじっ……ぐはぁっ!?」
「…………ヴェルヴァイド様」
母さんと父さんの間に割り込むように現れたその姿に、割り込まれた当人達以外が声を上げた。
この城に……青の大陸に居たはずの旦那が、赤の竜帝の城に居たことへの驚きではなく。
「ヴェルヴァイド。外套は身体に纏うものであって、頭部に被るものではないわよ? それに貴方の服は衣装庫にあるの知っているでしょうに、何故裸なのかしら?」
眉を寄せ、そう言った母さんの言葉に全員が頷いた。
旦那は、人型だった。
旦那は真珠色の髪を持つ頭に銀色の毛皮で縁取られた真紅の外套をかぶり、腕を組んで仁王立ち……もちろんすっ裸。
「だ、旦那。あんた、なんつー格好してるんすかっ!?」
真紅の外套が、まるで赤い頭巾のようで……はっきり言って、変だった。
変というより典型的変質者みたいな格好なんだが、あまりに堂々としているので逆にこっちが恐縮してしまうというかっ!
久々に揃った相変わらずな両親に、ちょっと席を外させて下さい的な気分に俺はなってしまった。
そんな俺を引き止めたのは、短鞭でつがいの雄の頬を撫でている女王様ではなく。
「<赤>、942足りぬぞ」
聞き覚えのあり過ぎる、それ。
久しぶりに、その声を聞いた。
「旦那っ!?」
「ヴェルヴァイド……なっ!?」
「イドイドッ!? ウキャァアアッ!!」
「じじっ……ぐはぁっ!?」
「…………ヴェルヴァイド様」
母さんと父さんの間に割り込むように現れたその姿に、割り込まれた当人達以外が声を上げた。
この城に……青の大陸に居たはずの旦那が、赤の竜帝の城に居たことへの驚きではなく。
「ヴェルヴァイド。外套は身体に纏うものであって、頭部に被るものではないわよ? それに貴方の服は衣装庫にあるの知っているでしょうに、何故裸なのかしら?」
眉を寄せ、そう言った母さんの言葉に全員が頷いた。
旦那は、人型だった。
旦那は真珠色の髪を持つ頭に銀色の毛皮で縁取られた真紅の外套をかぶり、腕を組んで仁王立ち……もちろんすっ裸。
「だ、旦那。あんた、なんつー格好してるんすかっ!?」
真紅の外套が、まるで赤い頭巾のようで……はっきり言って、変だった。
変というより典型的変質者みたいな格好なんだが、あまりに堂々としているので逆にこっちが恐縮してしまうというかっ!