四竜帝の大陸【青の大陸編】
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「やめて下さいっ!」
声を荒げたのは、甘く柔らかな色彩を持つ雄竜。
その空間を統べる白き存在に食って掛かったのは、ここで最も弱き者だった。
声をあげただけでも驚くべきことなのに、俺の父親はさら行動にまで移した。
「ヴェルヴァイド様、やめて下さい!!」
この世界の存続を、竜族の未来を守りたいと願う四竜帝達が言えぬことを躊躇無く大声で叫んだのは、『普通の竜族』であるエルゲリスト。
父さんは這うようにして旦那へと近づき、左脚にしがみ付いた。
その思いがけない動きに、四竜帝達も息を呑む。
四竜帝が出来ないことをやってのけた父さんは、叫んだ。
「僕の奥さんの肌を見ないで下さぃいいい~!!」
「え、そっち?」
脳が指令を出す前に、俺の口が勝手に動いて間抜な呟きを生み出した。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
そして、静寂。
実母を含む四竜帝と、最愛のハニーの沈黙が痛い。
声を荒げたのは、甘く柔らかな色彩を持つ雄竜。
その空間を統べる白き存在に食って掛かったのは、ここで最も弱き者だった。
声をあげただけでも驚くべきことなのに、俺の父親はさら行動にまで移した。
「ヴェルヴァイド様、やめて下さい!!」
この世界の存続を、竜族の未来を守りたいと願う四竜帝達が言えぬことを躊躇無く大声で叫んだのは、『普通の竜族』であるエルゲリスト。
父さんは這うようにして旦那へと近づき、左脚にしがみ付いた。
その思いがけない動きに、四竜帝達も息を呑む。
四竜帝が出来ないことをやってのけた父さんは、叫んだ。
「僕の奥さんの肌を見ないで下さぃいいい~!!」
「え、そっち?」
脳が指令を出す前に、俺の口が勝手に動いて間抜な呟きを生み出した。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
そして、静寂。
実母を含む四竜帝と、最愛のハニーの沈黙が痛い。