四竜帝の大陸【青の大陸編】
「陛下、俺は旦那にはかせるのは嫌です! 自分ではいてもらいますって!」
そんな馬鹿馬鹿しくも真面目な会話をしている俺と陛下を一瞥もせず、旦那はカイユへと声をかけた。
「カイユ」
あんたの下半身について論議(違うか?)してる俺達を、人並みに気遣う感性など無いのは知ってますが……はぁ~、なんだかなぁ。
「はい、ヴェルヴァイド様」
腰に下がる刀の柄を指先で撫でながら、カイユは一歩前へ出た。
すでにカイユの頭に中では、赤の大陸への大陸間飛行への段取り、着いてからすべきことが順を追って並べられているのだろう。
最高速で不眠不休で飛ぶつもりだろうが……問題はジリギエだ。
まだ幼いジリギエにとって、最高速での移動は負担が大きい。
天候によっては、高度をぎりぎりまであげての長距離飛行になる可能性もある。
その場合、まだ軟らかい幼生体では内部が持たない。
俺とカイユは先に飛んで、青の竜騎士のプロンシェンかニングブックにジリギエを送る届けてもらうように頼むか……。
俺と同じことを考えているであろうカイユに、旦那は言った。
「死んではいないが」
「は?」
主語の無いそれに、カイユは眉をひそめた。
「少し、壊れた」
「……ヴェルヴァイド様?」
旦那は片手を髪の中に入れ、手を自分の後頭部をがしがしと動かして何かを掴むと、それを無造作に放った。
「……なっ……」
床に落ちた、小さな身体。
それは、ぴくりと動かない。
「……ジッ」
半透明の青みがかった灰色の鱗は艶を失い、黒ずんでいた。
半開きの口からは、伸びきった舌……。
「ジリギエッ!!」
そんな馬鹿馬鹿しくも真面目な会話をしている俺と陛下を一瞥もせず、旦那はカイユへと声をかけた。
「カイユ」
あんたの下半身について論議(違うか?)してる俺達を、人並みに気遣う感性など無いのは知ってますが……はぁ~、なんだかなぁ。
「はい、ヴェルヴァイド様」
腰に下がる刀の柄を指先で撫でながら、カイユは一歩前へ出た。
すでにカイユの頭に中では、赤の大陸への大陸間飛行への段取り、着いてからすべきことが順を追って並べられているのだろう。
最高速で不眠不休で飛ぶつもりだろうが……問題はジリギエだ。
まだ幼いジリギエにとって、最高速での移動は負担が大きい。
天候によっては、高度をぎりぎりまであげての長距離飛行になる可能性もある。
その場合、まだ軟らかい幼生体では内部が持たない。
俺とカイユは先に飛んで、青の竜騎士のプロンシェンかニングブックにジリギエを送る届けてもらうように頼むか……。
俺と同じことを考えているであろうカイユに、旦那は言った。
「死んではいないが」
「は?」
主語の無いそれに、カイユは眉をひそめた。
「少し、壊れた」
「……ヴェルヴァイド様?」
旦那は片手を髪の中に入れ、手を自分の後頭部をがしがしと動かして何かを掴むと、それを無造作に放った。
「……なっ……」
床に落ちた、小さな身体。
それは、ぴくりと動かない。
「……ジッ」
半透明の青みがかった灰色の鱗は艶を失い、黒ずんでいた。
半開きの口からは、伸びきった舌……。
「ジリギエッ!!」