四竜帝の大陸【青の大陸編】

16

『我が?』

青の竜帝が帝都から出向くほどのことが、あっただろうか?
ふむ。
なるほど。

『念を無視したからか。だが、我はいろいろ忙しかったのだ』

最近は特にな。
文字の練習が佳境に入り、もうすぐ恋文の下書きに突入する!

りこを感激させるような、素晴らしいものを完成させるのだ。
書物によると、人間は恋文なるもので想いを伝えあうとあった。

我は恋文がどのようなものか、詳しくは知らぬが。
なんとかなるはずだ。

『<青>の用件は後できく。少し待て。すぐ終わらせ……』
『終わらせんな! ダルドに手を出すな。虐殺計画も却下だ、却下! ってか足をどけろ』

ああ、そうだった。
我は<青>踵で落とし、床に踏みつけている最中だったな。

『<青>。お前、我の邪魔をしたな?』

踏みつける足に、力を加えた。

『ぐぎゃー! や、やめろこの馬鹿! おい、ダルフェ! なんとかしろ!』
『陛下。俺になんとかできるならこんな事態になってないです』

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