四竜帝の大陸【青の大陸編】
「放してっ、触らないで!」
「り、りこ?」
ハクちゃんの胸や腕を思いっきり蹴り、二人の間に無理やりに隙間を作る。
「放して、降ろして! 早くして!」
他の女の人と比べないでよっ!
「りこ、危ない。分かった、降ろすから待っ……」
腕の力が緩んだのが分かり、私は自力で飛び降りた。
「う、いっ……痛!」
ここ何年も運動してなかった私が、うまく着地できるはずはなく。
地面に腕をついて落ちてしまった。
手のひらを擦り剥いたのか、じんじん痛む。
痛い。
痛いよ。
痛いの、ハクちゃん。
心が、痛いの。
「う、う……うっ。ひぇっぐ」
こんなみっともない私。
ハクちゃんと並んだ時につりあうような背も無くて、美人じゃなくて平凡で。
きっと凄い美女と付き合ってきたんでしょう!?
私なんて、ちんちくりんのおちびだからさぞ珍しかったでしょう!?
「う……うぅ……ぇぐ」
地面に座り込んで、自分の両手を開いて確認した。
手首から親指の付け根まで、擦り切れて血が滲んでいた。
膝も痛い。
こちらも血が出てるかも。
ずきずきする。
どこもかしこも痛い。
「お、おい。大丈夫かよ、おちびちゃん」
青い竜が私の手を見て、頷いた。
「よし。骨折はしてない。立てるか?」
「……竜帝さん、怪我は」
青い眼がくるりと回り、細められた。
似てる。
ハクちゃんに。
「俺様は四竜帝だぞ? こんなのなんともない。ヴェルに踏まれるのは慣れてるしな!」
にかーって笑うと青い歯が見えた。
歯も青い。
それに、笑えるんだ。
彼は表情豊かなおちび竜で、ハクちゃんとは違った。
「光の帯みたいのは消えた、ですね。良かった、竜帝さんが無事で」
袖で涙を拭いながら立ち上がり、ハクちゃんに文句を言うべく振り返り……。
「え」
ハクちゃんは金の眼を見開き、私を凝視していた。
前屈みで、右手を私の方へ伸ばした姿勢で固まっていた。
「り、りこ?」
ハクちゃんの胸や腕を思いっきり蹴り、二人の間に無理やりに隙間を作る。
「放して、降ろして! 早くして!」
他の女の人と比べないでよっ!
「りこ、危ない。分かった、降ろすから待っ……」
腕の力が緩んだのが分かり、私は自力で飛び降りた。
「う、いっ……痛!」
ここ何年も運動してなかった私が、うまく着地できるはずはなく。
地面に腕をついて落ちてしまった。
手のひらを擦り剥いたのか、じんじん痛む。
痛い。
痛いよ。
痛いの、ハクちゃん。
心が、痛いの。
「う、う……うっ。ひぇっぐ」
こんなみっともない私。
ハクちゃんと並んだ時につりあうような背も無くて、美人じゃなくて平凡で。
きっと凄い美女と付き合ってきたんでしょう!?
私なんて、ちんちくりんのおちびだからさぞ珍しかったでしょう!?
「う……うぅ……ぇぐ」
地面に座り込んで、自分の両手を開いて確認した。
手首から親指の付け根まで、擦り切れて血が滲んでいた。
膝も痛い。
こちらも血が出てるかも。
ずきずきする。
どこもかしこも痛い。
「お、おい。大丈夫かよ、おちびちゃん」
青い竜が私の手を見て、頷いた。
「よし。骨折はしてない。立てるか?」
「……竜帝さん、怪我は」
青い眼がくるりと回り、細められた。
似てる。
ハクちゃんに。
「俺様は四竜帝だぞ? こんなのなんともない。ヴェルに踏まれるのは慣れてるしな!」
にかーって笑うと青い歯が見えた。
歯も青い。
それに、笑えるんだ。
彼は表情豊かなおちび竜で、ハクちゃんとは違った。
「光の帯みたいのは消えた、ですね。良かった、竜帝さんが無事で」
袖で涙を拭いながら立ち上がり、ハクちゃんに文句を言うべく振り返り……。
「え」
ハクちゃんは金の眼を見開き、私を凝視していた。
前屈みで、右手を私の方へ伸ばした姿勢で固まっていた。