うらみ
第一章
3ーDの前。
廊下には机が一つ。

「お高く気取んな」「バーカ」
の文字が書かれている。
きっと油性マジックで。

中に入っている物からして、きっと私の机。
念の為に教室に入って私の机がないか確かめる。

やっぱりない。

机を持ち上げ、元あった位置に動かす。
皆がクスクス笑ってる。
私は無視して机を運んだ。

やっと動かし終わって椅子に座ると、今度は何人かが私を取り囲む。

「おはよう。エリコちゃん。
机どうしちゃったのぉ?」

クスクスと笑いながらクラスのボス的存在、橋本アリサがわざとらしく聞いてくる。

俯きながら何も答えないでいると、面白くなさそうに取り囲んでいた皆が散らばった。

「何よ、あいつ!
せっかく私が話しかけてあげたのに!」

「ほんとほんと!」

「アリサを無視するなんて何様?!」

アリサの言葉に同調してご機嫌を取っているのは、夏目サワコと七瀬マミ。
夏目サワコと七瀬マミは橋本アリサの金魚のフンだ。
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