最後の恋、最高の恋。


それに私は、お姉ちゃんが大好きだし。
私が男だったら、きっとお姉ちゃんのことを彼女にしたいと思うだろうから。


「正直言うとね?」


黙ったままの私に焦れたのか、坂口さんはそう切り出した。


「たまたま春陽の携帯の待ち受けが見えちゃってさ」


語り始められた昔の話に、よくわからないながらもあいまいに相槌を打つ。

お姉ちゃんの待ち受け? それがどうしたというのだろう。


「それが、春陽とは全然真逆の女の子と春陽のツーショットだったわけ」

「……へぇ」


たぶんあれだ。
入社が決まって初出勤で、ドキドキするからお守り代わりに待ち受け用の写メを一緒に撮って、と言われて撮ったやつだ。

未だに待ち受けに使っていたことが、ビックリなんだけど、でもそれだけ大切にしてくれてることがすごく嬉しい。


「びっくりしたでしょう? あんな素敵な人の妹がこんなんで」

「いや、そんなことないけど……」

「自分でも思うんですよ、だからこそ今までの彼氏はみんなお姉ちゃんが好きになってフラれるんです」

「……、」


自分でもなんで急にこんなことを坂口さんに言いだしてしまったのかわからない。
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