最後の恋、最高の恋。


「私、美月が彼氏にフラれた理由全然知らなくて、きっと知らないうちに美月をたくさんたくさん傷つけてたね」


何を言われるんだろうと身構えていた私に落とされたのは、そんなお姉ちゃんの告白だった。

いつの間にかお姉さんの声が聞こえなくなっていた。
でもそちらを向いて確認する考えすらなくて、私はひたすら黙ってお姉ちゃんの言葉を聞いていた。


「美月は、私のことすごく褒めてくれるけど、そりゃ美月よりは出来る女かもしれないけど」


そこは少しおどけるように笑顔を浮かべて、でもすぐに泣く手前のような顔に戻ってしまう。


「でも、本当に美月には美月にしかないいいところがあるの。 それを誰よりも知っているのは私だと思ってたんだけど、私以上に学の方が美月のことを知ってたの」


ねえ、お姉ちゃん。
なんでそんなに切なそうなの?
やっぱり、お姉ちゃんは坂口さんのこと、本気で好きなんでしょう?



「誰より美月を好きだと思っていた私が、一番美月を傷つけていたなんて、本当に知らなかったの」

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