最後の恋、最高の恋。
「き、聞いたけど……」
「私が今まで美月を傷つけてたって知ったのは、あの日の後美月を見失ってとぼとぼ情けなく戻ってきた学に、美月が今までフラれていた理由を聞かされたからよ」
「一言余計だ」という坂口さんの横やりにお姉ちゃんは耳を貸さずに、言葉を続ける。
「だから余計に美月にとってあの夜のことは深い傷になってると思って、一刻も早く謝りたかったのに美月は帰ってこなくて、心配で仕事もミスするし、今日部屋にいる美月を見て子供みたいに泣いて謝ることしかできなかった」
「仕事で、ミス……?」
あのお姉ちゃんが?
驚きを隠せない私に、お姉ちゃんは泣き顔のまま近づいてきて、優しく抱きしめてくれた。
「大丈夫、私頼まれたって学なんかと付き合いたくないし、それに私好きな人いて逆に美月に嫉妬してたくらいなんだから」
「え、お姉ちゃんが私に、嫉妬……?」
それにひとつ頷いて、「美月に隠してることは一つしかないわ」と笑ったお姉ちゃんは、
「私、誠人君が好きなのよ」
本当に予想もしていなかった告白をしてくれた。