最後の恋、最高の恋。



またか、という言葉を飲み込んで、



「仕方ないよね、お姉ちゃん綺麗だし、優しいし、何でもできるし」



と笑っていつもの言葉を返す。



そう、仕方ない。 仕方ないんだ。


私が好きになった人は、付き合って家に招いてお姉ちゃんを見ると、みんなお姉ちゃんを好きになる。


お姉ちゃんが誘惑したとかそういうんだったら、お姉ちゃんを責められるんだけど、そんなことをしている素振りすらなくて好きにさせてしまうんだから、それは私が相手にそれでも私がいいと思わせるような魅力がないということだ。


私はお姉ちゃんと違って背も小っちゃいし。
顔も綺麗な造りとは真逆の童顔だ。
おまけに手先が不器用で、頭も普通だし、がさつときたらもう、比べるまでもなくお姉ちゃんに軍配が上がるのは火を見るより明らかだ。


きっとすべてのいい要素を産まれたときに持ってっちゃったんだ、とお姉ちゃんを責めたことがあるけど、理不尽な責めにも係わらずお姉ちゃんは親身になって、私のいいところをたくさん挙げてくれた。


こうやって優しいから、私はお姉ちゃんを嫌いになれない。


嫌いになれるはずがない、こんないいお姉ちゃんを。


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