最後の恋、最高の恋。
そんな私の驚きに気付くこともない藤田さんが、空気を読まずに更に余計なことまで教えてくれた。
「うわぁー、見事に背中小さな赤い花だらけですよー? 愛されてますねぇー」
それに反論することもできずに、真っ赤な顔のまま項垂れて素早くブラウスで背中を隠した。
「できちゃった結婚、とかしないでくださいね?」
「するわけないでしょう!?」
言い返しながら昨日、というよりも今朝までの出来事が頭をよぎってさらに顔が赤くなるのが分かった。
あのあと、寝室に運ばれた私は、またもや息苦しいくらいのキスをされながら、パジャマをスルスルと脱がされて、今まで経験がないとは言わないけれど、言うほどそういうことをしてこなかった私にとって、坂口さんの脱がせ方はもう早業というほかなくて、気づいたら下着姿になっていて隠すことすら間に合わないくらいだった。
私のことを脱がせながら自分も上半身を脱いでいたらしい坂口さんの素肌に腕を回して、絶え間なく施される優しくて意地悪な指先に、舌に、翻弄されて。
もうだめ、と繋がる前に弱音を吐くくらいに何度も絶頂へ導かれた。