最後の恋、最高の恋。
「今日もまたご指導お願いしますね」
ちゃっかりとした藤田さんのお願いに、一つ返事で頷いて朝一番の清掃に取り掛かった。
“今日は何時上がり?”
今朝、今日の昼休憩は何時くらい?と聞かれて、多分13時に入れますと答えたせいか、13時ちょうどにそんなメールが届いた。
今日は18時に来客の予定が急きょ入ったから、長引いたとしても1時間。
でもそこまでかからないだろうと予測して“19時少し前には終わります”と返信する。
間をおかずに帰ってきたメールに思わず「えぇ、」と声を出してしまったのは、不可抗力だ。
当然一緒に休憩に入っていた藤田さんに「どうしたんですか?」と聞かれてしまうわけだけど、とりあえず何でもないと告げて、もう一度その内容を確かめる。
“迎えに行くから着いたらメールする。
美月ちゃんが仕事終わったら連絡ちょうだい”
何度見直しても、その内容は変わらなくて、信じられないものだった。