最後の恋、最高の恋。



「今日もまたご指導お願いしますね」


ちゃっかりとした藤田さんのお願いに、一つ返事で頷いて朝一番の清掃に取り掛かった。







“今日は何時上がり?”


今朝、今日の昼休憩は何時くらい?と聞かれて、多分13時に入れますと答えたせいか、13時ちょうどにそんなメールが届いた。

今日は18時に来客の予定が急きょ入ったから、長引いたとしても1時間。

でもそこまでかからないだろうと予測して“19時少し前には終わります”と返信する。


間をおかずに帰ってきたメールに思わず「えぇ、」と声を出してしまったのは、不可抗力だ。


当然一緒に休憩に入っていた藤田さんに「どうしたんですか?」と聞かれてしまうわけだけど、とりあえず何でもないと告げて、もう一度その内容を確かめる。



“迎えに行くから着いたらメールする。
美月ちゃんが仕事終わったら連絡ちょうだい”


何度見直しても、その内容は変わらなくて、信じられないものだった。

< 205 / 337 >

この作品をシェア

pagetop