最後の恋、最高の恋。
それは、大学時代の仲のいい奴らで久しぶりに集まっているときだった。
卒業して、それぞれの会社に入社して約2年。
集まった奴らのほとんどが、今の会社のいいところや悪いところの言い合いだ。
社会人になったといっても、こうやって集まれば学生の時に戻ってしまう。
大人のように静かに酒をたしなむなんて飲み方をする奴なんかいなくて、居酒屋で貸し切った大広間はあっという間に宴会のように盛り上がっていた。
その一角に、特に仲のいい俺と誠人と春陽とあと数人が固まっていたんだけど、隣に座る春陽の携帯が開かれたままテーブルに置かれているのが目に入る。
画面は待機状態になっていて真っ黒だ。
このだれでも完璧だと認める女の待ち受けはどんなものなのか、と興味を持っただけだった。
でも、適当なボタンを押して画面を明るくしたとき、そこに映し出された画面を見て俺は違う意味で目をくぎ付けにされた。
縫いつけられたかのように、画面から視線を逸らすことができなくて、ただただ見惚れた。