最後の恋、最高の恋。
「学、それ聞いてアンタどうするつもり?」
突きつけられていた携帯を俺の手から奪って、睨みつけるように俺を見てくる。
春陽の後ろからは誠人が面白そうな視線を送ってくるけど、とにかく今は彼女の情報が一つでも欲しかった。
「……どうして知りたいのよ」
当然の問いに、俺は口を噤む。
“一目ぼれなんてありえない”という持論は、春陽にも耳にタコができるくらい言っていたことで、そのたびに春陽や誠人に否定され続けてきたからだ。
そんな俺が、たった今それをしてしまったから“惚れたから”なんてすぐに言葉にはできなくて、視線を落とす。
「……もしかして、」
「学、お前一目ぼれなんてありえないなんて散々言っといて、惚れたんじゃねぇの?」
言いかけた春陽の言葉を継いだのは誠人で、それは的確に的を得た指摘だった。
誠人のことだから、俺の様子を見てそんなことはお見通しだったんだろうけど、それでもその目にからかいの色が混じっているのがムカつく。