最後の恋、最高の恋。

「彼氏いるんだよ？」

「それでも諦めるって選択肢が一切出てこなかったんだから仕方ないだろ」

「……そんなセリフを学の口から聞く日が来るなんて……ッ！！」


再び同じことを言った誠人に視線だけを投げて黙らせると、「大事なことだから二回言ったんだよ」と訳の分からない言い訳をされた。


「美月のこと、何が知りたいの？」

「全部」

「……全部って即答するなんて、ホントどうしたの？」


化け物でも見るみたいな視線を送ってくるなんて不躾だと思いながらも、今までの俺の恋愛遍歴を知っている二人だからこそそう言ってくるんだと重々承知していたから何も言わない。



「たぶん、これが俺のホントの意味で初恋なんだと思う」


恥ずかしげもなく、素直に告白すると誠人は急に立ち上がって、「学が本気の恋をしたぞー！」とこの場にいた全員に聞こえるように大声でいらない発表をしてくれた。