最後の恋、最高の恋。
途端に視線が自分に集まって、あちこちから説明を求められるけどそんなの総無視だ。
俺はとにかく“みうらみつき”について知りたくて仕方ない。
「みつき、ってどういう漢字?」
「美しい月って書いてみつき」
「美月……」
身体中のすべての細胞に覚えこませるかのように、その名前を何度も反芻する。
そのたびに胸が熱くなって、今までなんとも思わなかった“美”と“月”という漢字が、途端に愛しく思えてくるから不思議だ。
「言っておくけど、美月は可愛いけど結構抜けてるんだからねっ!」
言いながらも、そこが可愛いんだけどと付け加えるあたり、春陽はとても美月ちゃんが好きなんだろう。
それよりも気になるのが、
「抜けてるって?」
「次の日の朝早く出なきゃいけないって忘れて前の日に夜更かししたり……」
「それから?」
「抜けてるとは違うけど、昔に買った伸びてるタンクトップ捨てられなくて今でもパジャマで着てるし」