最後の恋、最高の恋。
誠人とは違う講義で、久しぶりに二人きりの授業中、後ろの席は先生から遠いから小さい声で話す分には注意されない。
そんな何気ない会話の途中で、突然なんの前置きもなくそんなことを学が言った。
「え? うん、好きよ?」
虚を突かれながらも、素直に頷くと学はこれ見よがしな大きなため息をついて「違う」と首を振る。
「恋愛対象として好きだろって聞いてるんだよ」
言われてじっくりとその意味を頭で考えて、その瞬間に自分の顔に熱が集まるのが分かった。
え、私が恋愛感情で好き? 誠人を?
あり得ない、と否定しているはずなのに心とは裏腹に心臓がドキドキしてるんだろう、私。
「え、ちょ、……待って」
自分でも分からない心臓の反応に、学に待ったをかけて必死で考える。