最後の恋、最高の恋。
私が唯一今までできなかったことは、“恋”だったから。
周りが思い描く理想の女の子になることに必死で、恋なんてできなかった。
本当は私だって休みの日にはごろごろしたいし、我慢しないで自分の意見を通したいときだってある。
それでも、周りの期待に応えなくちゃ、という思いの方が上回って本当の自分を出せなかった私は、恋なんてする余裕も気持ちもなかった。
だから、自分でも気づかないうちに恋をしていたことが嬉しくて、嬉しくて。
この気持ちを大事にしたいと思った。
美月は私を羨ましがるけれど、本当は私だって美月が羨ましかった。
楽しそうに恋をして、恋に傷ついて泣いて、それでもまた恋をする美月が羨ましくて仕方なかったんだよって言ったら、美月はどんな顔をするだろうか。
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