最後の恋、最高の恋。
付き合って3か月が過ぎて、美月ちゃんは目に見えて可愛くなった。
もともと可愛かったけれど、姉さんにメイクを教わってメイクをナチュラルに変えてから、もともとの素材の良さが引き出されて、もっともっと可愛くなってしまったのだ。
「どうしたんですか?」
季節はだんだん春めいてきたけれど、まだ寒い夕方。
薄手のコートを身にまとった美月ちゃんが、不思議そうに俺を見上げてくる。
春陽よりも低いその身長は、キスするときに腰をかがめなくちゃいけないけれど、抱きしめて眠るのにはちょうどいいサイズ。
そして下からこうやって上目づかいをされると、こう、抱きしめたい衝動に駆られるけれど、ここは美月ちゃんの会社の目の前だからその衝動を理性で抑え込む。
なんでもないよ、とそのふわふわな髪に指を滑らせて頭を撫でると、猫のように目をつむってそっと寄り添ってくるから堪ったもんじゃない。
付き合い始めてから、美月ちゃんは遠慮なく甘えてくるようになった。
それが悪いわけじゃない。
むしろ甘えてくる美月ちゃんは、この上なく可愛くて仕方がない。