最後の恋、最高の恋。
足の間に座っている美月ちゃんを抱きしめている腕に少しだけ力を込めて、「なに?」と返事をする。
付き合って3か月も経っているというのに、こうやって抱きしめて腕の中に美月ちゃんがいるのを実感できることが嬉しくてたまらない俺は、自分の顔を見られていないのをいいことに、緩む顔を引き締めることなくその小さい存在を確かめる。
「あの、あのね……?」
でも、腕の中の美月ちゃんの声音が、なんだか泣きそうなそんな声だったから、一気に幸せな気分は吹き飛んで心配で堪らなくなった。
目の前にいる美月ちゃんは、一人掛けのソファーに座っている俺の脚の間に座っているから狭いはずなのに、その狭いスペースで膝を抱えるように座っている。
お風呂上りで相変わらず大雑把にまとめ上げられた髪はまだ湿っていて、余計にうなじを色っぽくさせているんだけど、その表情は見えない。
美月ちゃんの今着ているパジャマは、姉さんのところの新作だ。
光沢のある淡いピンク色が、お風呂上りの色気を更に増して見せている気がする。
「美月ちゃん?」
落ちないか心配なのもあるけど、どうしてそんなに不安げなのか分からなくて、顔を覗き込もうとしたけどその俺の動きを読んだ美月ちゃんは顔を膝に埋めてしまった。