最後の恋、最高の恋。



だれだって、恋をしている限り不安になるんだ。


と納得している俺を見上げた美月ちゃんは、



「いつまでたっても呼び捨てで呼んでくれないの、不安なんです」


今度は隠すことなく涙でぐしゃぐしゃな顔で俺を見上げてくる。

そんなことにさえ不安になっていた美月ちゃんも、やっぱり最後の恋に溺れているんだろう。



でもその不安はすぐになくすことが出来る。


俺だって呼びたくて堪らなかったんだから。





「美月、好きだ」




見上げる美月ちゃんの額に、唇を落として耳元で囁けば美月ちゃんは目に見えて赤くなった。


きっと俺も美月も、この“最後の恋”に死ぬまで溺れるんだろう。

それすらきっと幸せに思えるんだ。


その相手が、世界で一番愛しい、美月なんだから。





□END□

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